人間関係・対人関係の悩み克服の方法【アドラー心理学入門】
〜目次〜
こんな悩みはありませんか?
・自分の居場所が無いと感じてしまう
・できていない自分と周りの人との比較してしまう
・完璧な自分しかだめで、ダメな自分のことが認めれれない
・周りのみんなが批判する敵に見えてしまう
・症状のことで悩んで他者との関わりを減らしてしまう
今回はそんなあなたに対して、自分自身が生きやすくなって幸福感も得られる考え方についてお伝えします。
対人関係の悩みを解決する考え方:【共同体感覚】について
先に結論を言いますと、その考え方とは、アドラー心理学で提唱されている【共同体感覚】といわれるものです。
アドラー心理学とは19世紀の心理学者アルフレッドアドラーが提唱して発展した心理学の体系で、
「人はどうすれば幸せに生きることができるのか」
という問いにシンプルかつ具体的な“答え”を提示する実践の心理学だといわれています。
「嫌われる勇気」という本が流行りましたよね。
そのなかで重要な概念である共同体感覚をアドラーは「対人関係において目指すゴール」だといっています。
共同体感覚とは「他者とのつながりを感じて、仲間」と思える感覚のことです。
「ありのままの自分を受け入れ、他者を信頼して、その他者に対して関心を向けて貢献すること」によって共同体感覚は強くなります。
少しわかりにくいかもしれないので、このあと詳しくお伝えしていきます。
アドラー心理学では「すべての悩みは、対人関係の悩みである」と考えます。
悩みの源泉は対人関係にある。逆にいうとそれは、幸福の源泉もまた対人関係にある、ということでもあります。
悩んでしまうとき、自分と他者とを比べて、できていないことに劣等感を感じて落ち込んでしまったり、自分の存在が迷惑じゃないかと思って、その場所に居づらくなったり、みんなから変だと思われていると感じて、他者を敵のように感じられたり、すべて対人関係が関わっていると言えます。
実際、僕も脇見恐怖症や対人恐怖症で悩んでいていたときは、そのように感じることが多かったです。
「それなら他者と関わらないほうがいいのか、避けるようにしたほうがいいのか」というとそうではありません。
アドラーは人間とは社会的存在であり、孤独に生きることはできないと考えました。
実際それで家に引きこもってしまったとしても、生きづらい気持ちがスッキリしたり、対人に対しての恐怖心が軽減されるわけではありませよね。
反対に他者に対して更に関わっていくことや、他者と信頼関係をつくったり関心をもつことが大事なのです。
共同体感覚のことを英語では「social interest」といいます。つまり、「社会への関心」です。
自分はこの場所にいてもいいんだなと思える感覚。それを感じることが大切なんです。
みなさんいろんな居場所があると思います。学校、会社、家族、友人、地域コミュニティ、趣味のサークル、あらゆる場所で自分はここにいてもいいと思える感覚になることが大切なんです。
共同体感覚を得るために必要な三つの要素
じゃあどうしたら共同体感覚が得られるのか、そういった感覚になれるのか。必要な3つの要素があります。
自己受容、他者信頼、他者貢献です。
自己受容について
まず自己受容とは、自分の良い点も悪い点も受け入れて、「自分は価値ある存在だ」と認識できるようになることです。
自己受容では、自分自身のもつポジティブな面とネガティブな面の両方を無条件で受け入れることが重要とされています。
つまり、苦手なものも含めて「自分」として認識できるようになると、それが自分自身を受け入れることに繋がるということです。
ひと前で緊張する自分、脇見恐怖症で苦しくなる自分。悩んでいたときは、そんな自分がダメな存在だとおもっていました。
そう思っているときは他者と関わる勇気がなくなってきて、他者を避ける行動をしていました。
他者を避けることで、相手からも「人付き合いの悪い人だ」というように余計に勘違いされることに繋がってしまいます。
「ひと前で緊張するのは誰もが当たり前なんだ。脇見が気になってしまうのは普通なんだ。気になっても仕方ないよね」と肯定的に諦めることをしたり、受け入れる感覚があると、他者と関わる勇気がもてるようになってきます。
そこから他者と関わることで、「意外に大丈夫かも」という感覚になって、他者を信頼できることに繋がっていきます。
他者信頼について
2つ目の他者信頼とは、
他者を無条件で信頼し、受け入れることです。
他者を「同じ共同体で暮らす仲間」として捉えます。
悩んでいるときにありがちなのが、
「他者が自分のことを嫌っているかもしれない。
自分のことを馬鹿にしているだろう。
仲間はずれにしているに違いない。
自分のことを変だとおもっているんだ」
と、自分の頭の中で他者を悪者にしたり、自分を否定してくる存在として考えてしまいます。
ひと前で緊張するとき、「目の前の相手が否定的評価をするだろう」と、相手のことを信じていないことが多いです。
脇見で悩んでしまうときも、「自分の行為で相手に迷惑をかけているだろう」と、実際は何も言われていないけど、勝手に決めつけてしまっていることが多いです。
そういう懐疑的な姿勢や敵対視する姿勢が相手には不安そうにうつってしまっているケースも多いんです。
まずはそういった他者への懐疑心を、「本当は否定的じゃないかもしれない」と自分から相手を信頼してみることが大事です。
「相手が自分のことを信頼してくれているから信頼しよう」ではなく、「自分からまずはじめに信頼していくこと」が大事なんです。
他者を信頼して仲間だと思えると、自分から話をして自己開示するきっかけになり、それが深いつながりになって、より信頼関係の輪がひろがっていきます。
他者からの信頼を得ると、自分が共同体にとって価値ある存在であるという感覚を満たすことができ、より一層自分自身を認めることができるようになります。
他者貢献について
3つめの他者貢献とは、
他者や共同体に積極的に関心をもって貢献することです。
悩みのほとんどは「他者から嫌われたくない。変に思われたくない」というふうに、自分に対する関心が強すぎることが原因であることが多いです。
自分のことで頭がいっぱいになっている状態です。
それを弱めていくためには「他者に関心をむけて、他者の役に立つ貢献をしていくこと」が必要です。
意識の向け先を相手に変えていくことが大事なんです。
たとえば、同じ会社の同僚の役に立てることはないかなと考えたり、会社で自分が力を発揮して貢献できることはないかと考えたり、友人やパートナーを喜べばせることを考えてみたり、身近な人でなくてもボランティアなどを通して社会の役に立つことをしたり、などです。
あらゆる場所でに貢献的行動を取ることによって、自分が他者に必要とされていることを実感することができます。
他者貢献は、あくまで「貢献(共同体のために行動を起こすこと)」を目的としたものです。
つまり、他者から見返りを得ることや、褒められることを求めて行うものではありません。
自分はここで役に立っているといったような自己満足でもいいので、見返りを求めず行ってみて下さい。
そうすると次第に周りからどう思われるかといったような、自己への執着ではなく、他者への関心に目が向くようになっていきます。
そして主体的に生きられるようになって、自分はここにいても良いんだという自己受容、自分や他者に対しての信頼にもつながっていき、自己受容、他者信頼、他者貢献の良い循環ができてきます。
おわりに
今回は対人関係の悩みを解決する考え方についてお伝えさせていただきました。
その考え方としてアドラー心理学の共同体感覚についてお伝えさせていただきました。
「ありのままの自分を受け入れ、他者を信頼して、その他者に対して関心を向けて貢献すること」
自己受容、他者信頼、他者貢献が大事だということです。
悩みにはまってしまいそうなときはぜひこの考え方を思い出してみてください。
僕はこの考え方に何度も救われてきました。
そして実践することで悩みを解決することができました。
僕は普段【WaReKaRaゼミ】という、対人不安で悩まれているかたに向けたコミュニティを作っています。
脇見恐怖症の方、視線恐怖症のかた、あがり症のかた、コミュニケーションが苦手な方などがみんなで交流しながら、学びながら、実践を通して前向きに自分をよりよくしていけるコミュニティです。
まさに共同体感覚が得られるような環境です。
今日の話をきいて少し一人では難しいなと感じた方やご興味のあるかたはぜひ下記のページもご覧ください。
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