脇見恐怖症は勘違い?思い込みあるあるの対策とは

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あなたはこんな悩みはありませんか?

  • なるべく目を合わせないようにしているけど、目が合ったら「私の視線のせいで」目を背けられるんです…
  • 隣の席の人がよく肘をついたり貧乏ゆすりしているのは「私が脇見してしまっているから」だ…
  • 電車で隣に座っていた人が、途中で別の席に移動した。「私の視線が迷惑だった」に違いありません…
脇見恐怖症 悩み

脇見恐怖症は「自分の視界に入る人や物を見ることに関して、不安や罪悪感を感じてしまう、視線に関する恐怖症の一種」です。

そんな脇見恐怖症の方は上記の悩みのように、他人があなたの視界や視線から離れる行動をしたら、その全てが「自分を拒絶している行動」だと捉えてしまい、ちょっとしたことだとしても落ち込んだりずっとそのことについて考え続けてしまいます。

場合によっては「なんでそんなあからさまに目を合わせないようにするんだ」と憤りさえ感じてしまいます。

そして、「他人から拒絶されてる自分はおかしいんだ」と自己嫌悪になったり自分を責めて強い罪悪感を感じてしまったり、「なんで自分だけがそんなふうに扱われるんだ」と悩んでしまい、徐々に他人と関わることそのものが怖くなってしまって人と関わる機会をどんどん減らしてしまいます。

今回はそんな脇見恐怖症で悩んでいる方の悩みでよくある「周囲の出来事を自分の視線のせいだと思ってしまう」ことに関しての考え方と対策をお伝えします。

脇見恐怖症 自分のせいだと思う 考え方と対策

脇見恐怖症にの症状などについて知りたい方はこちら↓

脇見恐怖症の原因や改善方法について知りたい方はこちら↓

今回の記事からわかること

  • 「私の視線のせいで…」と自分のせいにしてしまう感覚がなぜ起こっているのか認知の面と脳の仕組みの面から知ることができます
  • 「なんでも自分のだと思って感じる罪悪感を弱める方法」を知ることができます。

なんでも「私のせいだ」と思ってしまう<認知の歪み>(個人化・自己関連付け)

まずこのなんでも「自分のせいだ」と捉えてしまう状態を認知(物事の捉え方)の面から説明します。

この状態は心理学で「認知の歪み」と言われている概念の一つである「個人化」「自己関連付け」に当てはまります。

認知の歪みとは「物事の捉え方や解釈の仕方が極端になっていたり、合理的ではない方向に思考が偏っている状態」のことです。

主に10パターンがあり、その10パターンの中でも今回のように「なんでも自分のせいだ」と捉えることは、前記の「個人化」や「自己関連付け」と言われています。

視線に関するもの以外の「個人化・自己関連付け」だと

  • 「前回のプロジェクトがうまくいかなかったのは、全部自分のせいだ」
  • 「せっかくハイキングに来たのに、雨が降ったのは私が雨男だからだ、、、すみません、、、」
  • 「上司がイライラしているのは私が何かしてしまったからだ、、、」

などのように考えてしまいます。

なんとなく共感できるところもあるかもしれませんね。

しかし、プロジェクトがうまくいくかどうかの原因が1人だけにあるとは思えませんし、雨男だから雨が降るというのは合理的ではありません。上司のイライラが自分のせいかどうかはわかりませんよね。朝、奥さんと喧嘩しただけかもしれません。

視線以外の様々な自己関連付け

このように、「個人化・自己関連付け」の認知の歪みがあると、実際に自分に関係のないことでも自分に原因があると考えて罪悪感を感じたり、自分に責任を結びつけたり、本来自分は一部の責任しか負っていないのに全てが自分の責任だと思ったりしてしまいます。

まずは出来事を自分のせいにしてしまう考えが浮かんだら、「これは思考のクセなんだ」ということを認識しましょう。

あくまで捉え方のパターンですので「あ、自分は今個人化をしてしまっているな」というふうに自己認識をすることが、まず大切な一歩目です。

なんでも「私のせいだ」と思ってしまう脳の仕組み<確証バイアス>

そしてもう一つ、なんでも自分のせいだと思ってしまう原因があります。

それは「確証バイアス」です。

「バイアス」とは「偏り」のことで、

「確証バイアス」とは自分の先入観や仮説を肯定するような確証を得られる情報ばかりを無意識のうちに偏って集めてしまう傾向のことです。

簡単にいうと「無意識での思い込みの強化」ですね。

一度思い込んだら、その思い込みをどんどん強化するように、思い込みを裏付ける情報ばかりに目を向けてしまうということです。

逆に思い込みを否定するような情報はスルーされてしまいます。

脇見恐怖症でいうと、

視界に入っている人が咳払いをしたり貧乏ゆすりをしたり、電車で隣に座っていた人が別の席に移動したり、隣の席の人が肘をついている、等の出来事が起こったときに、「やっぱり私の視線のせいなんだ」という思い込みがどんどん強化されます。そしてこういった出来事ばかりを記憶に留めてしまいます。

「あ、やっぱり私が「脇見をしたかも」と思った時、いつも周りの人が咳払いしたり何か迷惑そうにしてる気がする…。やっぱり私の視線のせいなんだ…」という感じですね。

脇見恐怖症 勘違い 思い込みの強化

しかし考えてみてください。

人が視界に入っていても何も起こっていないときもあるはずです。むしろその方が多いと思います。

例えば、「電車で隣に座っていた人が別の席に移動した」ことが一回あったとしても、「隣の人が別の席に移動しない」ことの方が絶対に多いですよね。

なのに、それらの何も起こっていないようなときのことはすべてスルーしてしまい、相手の反応が変わったと感じたときだけを自分から拾ってしまうような状態になっているのです。

脇見恐怖症 確証バイアス

この確証バイアスは脇見恐怖症の人だから持っているというわけではなく、誰しもが持っていて無意識のうちにおちいってしまいます。

誰しもがおちいるような強いバイアスだからこそ、「あ、今そういうバイアスが働いているんだ」と認識して客観的に状況を認識することが必要になります。

「いつもこうだ…」と思った時には「これって確証バイアスが働いていないかな?本当にいつもかな?」と考えてみてください。

ここまで、なんでも「私のせいだ」と思ってしまうことに関して認知の歪みの「個人化・自己関連付け」と「確証バイアス」から解説しました。

ここから、「それではどのように対策するのか」についてお伝えしていきます。

なんでも「私のせいだ」と思ってしまうことへの対策

まずお伝えしたように何かしら起こる出来事はどんなことでも、「原因が一つしかない」という場合はほとんどありません

「全部あの人のせいだ」ということも「全部私のせいだ」ということも実際にはほとんどないんです。

例えば、あなたの同僚が「前回のプロジェクトがうまくいかなかったのは、全部自分のせいだ」と言って悩んでいるとします。

仮に実際に同僚にも責任があるとして、あなたはその同僚にどんな言葉をかけてあげますか?

おそらく「いや、プロジェクトに関わっていたみんなの責任だから気にしすぎない方がいいよ」とか「あれは競合の影響とか社会の変化もあったから仕方ないよ」のように客観的に見て「あなただけに原因があるわけではない」ということを伝えてあげると思います。

自己関連付け アドバイス

自分の視線に対する悩みに関してもこのように客観的に考えることが大事です。

[脇見恐怖症の例]なんでも「私のせいだ」と思ってしまうことへの対策<円グラフ法>

この考え方をワークとして実践できる方法として、認知行動療法でも用いられる「円グラフ法」を紹介します。

記事を見ていただいている方も一緒に

「隣の席の人がよく肘をついたり貧乏ゆすりしているのは “私が脇見してしまっているから”だ…」という悩みの事例について一緒にかんがえてみましょう。①〜④の流れに沿って考えてみてください。

①まず、この悩みをあなたご自身が感じているとして、「私が脇見してしまっているから」ということをどれぐらい確信していますか?

「私が脇見しているから」という原因しか思いつかないということでしたら100%の確信度になるでしょうし、そうではなくてもその悩みに取りつかれているような時には80〜90%以上のようにかなり高い確信度になると思います。

②そして次に「隣の席の人がよく肘をついたり貧乏ゆすりしている」ことの原因を考えてみましょう。可能な限りたくさんあげてください。

まず思いつくのは

・本当に自分が脇見してしまっていてその視線を防ぎたいから 

ですよね。他には何がありそうでしょうか

・その人は肘をついたり貧乏ゆすりをする癖があるから 

というのもありそうですし

・その人は何か別のことでイライラしているから

・肘をつく体勢がラクだから

・貧乏ゆすりをして眠気を覚まそうとしてるから

などいろんな可能性を考え始めるとたくさん思いつくと思います。

どれか一つではなく様々な原因が絡みあっているでしょう。

なかなか考えにくかったら先程の例のように

・友人がその悩みで相談してきたら、その出来事にはどんな原因がありそうだと答えるか

と考えてみたり

・自分が尊敬しているAさんや友人のBさんは同じ出来事に対してどのように捉えるか

というふうに意識的に自分から切り離して客観的に考えてみることをお勧めします。

③それでは書き出したそれぞれの原因に関して、全体の確率を100%として円グラフの中に書き入れていきましょう。

それぞれがどれくらいの責任を占めていそうか、割合を考えてみましょう。

「脇見が原因であることはやっぱり多そうだけど、その人がイライラしていたからというのも結構ありそうだな。イライラしてる時に貧乏ゆすりとかの癖が出ているというのもありそう」

というふうに考えてそれぞれが何%あるかを考えてみてください。

合計が100%になるように数字を調整してください。

確実な数字は分からないので、大体の感覚的なものでokです。

以下のように数字を割り振ったとします。

・脇見のせい 40%

・何か別のことでイライラしているから 30%

・肘をついたり貧乏ゆすりをする癖があるから 15%

・肘をつく体勢がラクだから 10%

・貧乏ゆすりをして眠気を覚まそうとしてるから 5%

④最後に、「隣の席の人がよく肘をついたり貧乏ゆすりしているのは私が脇見してしまっているから」ということをどれぐらい確信しているかもう一度考えてみましょう

そもそも最初の時点では

「自分が脇見してしまっていてその視線を防ぎたいから」

という要因に囚われていて、それ以外の要因を考えられていませんでした。

様々な可能性を考えて、その上で責任の割合も考えてみたことによって、「脇見をしたから」という要因は自分の中で多少弱まっていると思います。

最初に①で聞いた時に100%など高い確率だと考えていた人が70%、50%というふうに、

「他の可能性もあるな」と考えることができて自分を責める感覚や罪悪感が少しでも減少させることができていたら成功です。

「数値ではわかりにくい」という人も、ご自分が書いた円グラフを見たらどう思うかを考えてみましょう。

先程までと同じくらいの強さで自己批判をしないといけないと思いますか?おそらくそうではなくなるはずです。

ここまでお伝えしてきた話を踏まえて、もしかしたら、

「他の人や環境のせいにすることは甘えだ」「自分が全ての責任を負うことが道徳的に正しいことだ」と思う人もいるかもしれません。

しかし、考えてみてください。「仕事でなんらかの問題が起こった」時、“実際には違う原因がある”のにもかかわらずあなたが「自分のせいでこんな問題が起こったんだ」と考えたらどうなりますか?

あなたに原因はないのにもかかわらずあなただけが反省しても、正しい問題解決が行われることはあり得ませんので、きっとまた同じ問題が起こるでしょう。

それは正しいことでしょうか?違うと思います。

こういった形で客観的に考えてみましょう。

おわりに

今回は脇見恐怖症で悩んでいる方の悩みでよくある「周囲の出来事を自分の視線のせいだと思ってしまう」ことに関しての考え方と対策をお伝えしました。

まず、なんでも「私のせいだ」とする考えは「個人化・自己関連付け」という認知の歪みからきているということをお伝えしました。

あくまでそういった「物事の捉え方のパターン」ですので「あ、自分は今個人化をしてしまっているな」というふうに自己認識をすることが客観的になるためにまずは大事です。

次になんでも「私のせいだ」と思ってしまう脳の仕組みとして「確証バイアス」をご紹介しました。誰しもがおちいってしまう情報処理の傾向です。

「いつもこんなことばっかりだ」と思った時にも「いや、違う時もないか?同じような出来事ばかりを記憶しているだけじゃないか?」というふうに立ち止まって考えてみてください。

そして、なんでも「私のせいだ」と思ってしまうことへの対策として認知行動療法でも用いられる「円グラフ法」をご紹介しました。

「私のせい」という要因だけではなく、他にも様々な要因を検討してみてから、円グラフにそれぞれの責任を入れ込むというワークです。

「他の可能性もあるな」と考えられるようになることで、自分を責める感覚や罪悪感を減らすことができます。

この円グラフ法は簡単なワークではありますが、「もっと手軽に罪悪感を弱めたい」という方は、何かしら自動的に「自分が100%悪い」という考えが浮かんだ時「それはちょっと極端かも?」と自問自答して疑ってみるというのも良いと思います。

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僕自身が脇見恐怖症で悩んでいた頃の経験談や、そこからの今の考えなどもお伝えしていますので、動画講座をご視聴いただく方たちにも自分ごとに受け取っていただけると思います。

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