ABC理論で分かる【生きづらさの原因・改善法】人間関係がしんどい人に足りない考え方
こんにちは、カウンセラーのザッキーです。
今回は
「不安やイライラばかり感じるような、生きづらさ・人間関係へのしんどさを感じる人に足りていない考え方」をお伝えさせていただきます。
今回は、その土台にある「ABC理論」という概念について説明します。
みなさんABC理論については僕の「講座で聞いたことある」という方や「カウンセリングを受けた際に知った」という方もいると思いますが、聞いたことある方も復習としてこの動画を見て理解を深めていただければと思います。
「講座って何?」という方は以下のバナーからぜひご確認ください。
〜目次〜
ABC理論とは
まず、最初にこのABC理論とは何かというと、「感情には構造がある」という理論です。
まずAの出来事があって
そこに対して Bの解釈があって、
Cの感情が生まれていくというようなものです。
それぞれは、
- A…Activating Event(出来事)
- B…Belief(解釈)
- C…Consequence(結果)
の頭文字からきています。
このABC理論は論理療法の中心概念で、心理学者のアルバートエリスという方が提唱した理論です。
この理論を簡単に言うと
「同じ出来事を経験したとしても、その人の解釈次第でどのように受け取るかという結果や感情が変わってくる」
ということなんです。
あなたが何か目の前の出来事に対してイラッとした、というふうに怒りの感情が引き起こされたとします。
この時、出来事に直面してから瞬時にイラッとした、つまりAの出来事に対して直接的にすぐにCの結果や感情が起こったと思われるかもしれません。
しかし、実はAとCの間に、必ず自分の考え方のフィルターであるBの解釈があって、解釈を通して感情や結果が引き起こされるんです
なので出来事が直接的にすぐに感情を起こすのではなくて、どう解釈したか・どう捉えたかによって、感情が起こってくるということです。
生きづらさを感じている人はどうしても、ツラさやしんどさに飲み込まれてしまってこのように「解釈によって感情や結果が変わってくる」という視点が弱くなってしまっています。
これだけだといまいちわからないと思うので、事例で説明していきます。
ABC理論がわかる事例①
例えば上司にすごく怒られたとします。これは客観的なAの出来事です。
その結果、
上の人はすごく落ち込んでいますが、
下の人は「がんばろう!」という感じですよね。
この違いはなぜ生まれているのでしょうか?
もう少し詳しく説明すると
Aの出来事は「上司に怒られた」という一見ネガティブな出来事と思うかもしれません。
それで上の人は
「上司に嫌われているんだ」「私は何をしてもダメなんだ」という解釈をしています。
結果として「会社に行きたくない」「辛いな」という風に感じている。
下の人は
「怒るというのはそれだけパワーもいるし、期待しないとわざわざ言わないよな。ということは上司は自分に期待しているんだ」という風に捉えて、「期待に応えるため」に結果的に頑張ろうと考える。
もしくは「確かに怒られたけど、指摘された点を改善すれば成長のきっかけになってもっと良い評価をもらえて成長するかもしれない」
それなら「頑張ろう」
という風に考えれたりするんです。
上の人はいつも怒られるたび落ち込んで、怒られたこともひきずっていくでしょうし、もしかしたらたまに褒められることがあったとしても「励ますために無理して言ってるだけだ…」と素直に受け取れなかったり、むしろそのせいでさらに落ち込んだりしてしまうかもしれません。このような状態は生きづらいですよね。
下の人のように捉えられると、怒られても前向きに切り替えていけますし、そもそも怒られたこともすぐに忘れて目の前のことに集中していけるかもしれません。このような状態は生きやすそうですよね。
今まで「いや、怒られたら落ち込むのは当たり前でしょ!」という風に思っていた人はぜひ「こういう考え方もあるんだ」「出来事の受け取り方次第で自分で結果を変えられるんだ」ということを考えるようにしてみてください。
「この受け取り方を変えられれば、自分自身で結果を主体的に選択できるんだ」という気づきをぜひ持ってほしいなと思います。
では事例として、別のパターンも解説していきたいとおもいます。
ABC理論がわかる事例②
こちらは「他人に対する捉えた方」の違いで結果が変わってくる例です。
「上司に対して自分の意見を堂々と通そうとするCさん」がいたとします。
AさんはCさんに対して「上司に反抗してはいけない」「空気を読むべき」と捉えています。
そうすると結果として「イライラする。ルールを守らないしみんな迷惑してる。問題だと思う」と感じています。Aさんは他人に対してイライラ、モヤモヤして、生きづらさを感じていそうですよね。
一方、BさんはCさんに対して、「自分の意見を持っているし、上司のいうことを聞くだけじゃなくて自分で課題を見つける能力が高くてすごい」と捉えています。
結果として、「イライラはしない。伝え方に未熟なところはあるかもしれないが、将来性があるので問題ではないと思う」というふうに結果も感情もAさんとは異なっています。Bさんのように考えると、別にイライラもせず、生きやすそうですよね。
この2人のCさんに対する捉え方を、いまあなたが第三者視点で考えてみると、どちらの考え方もわからなくはないと思います。
ですので、今のあなたが他人に対して感じている感情や態度も「誰にとっても普遍的な当然のものではない」ということを覚えておいてほしいです。
Aさんのように普段他人に対して考えてしまっている人は「みんながイライラするわけではないんだ」「違う解釈もあるんだ」というふうに意識してみてください。
Aさんのように「こうじゃないといけない」「こういう人はダメなんだ」「こうするべき」というような考えが強い人は
「べき思考」や「白黒思考」などの強い完璧主義的思考になっているかもしれません。
これらは認知行動療法で言われる「認知の歪み」のパターンの中の一つで、人を生きづらくしてしまう考え方のクセです。自分に対しても他人に対しても厳しくなってしまっていることが多いです。
いきなりこのような考え方のクセを手放すというのは難しいと思いますが、
まずは何かイラッとした時などに「あ、今の捉え方は自分の考え方のクセであって、誰もがそう思うわけではないかもな」と、一旦、考えるようにしてみてください。
それをするだけで、「自分が絶対に正しくて〇〇さんは間違っているんだ。だからイライラする」というような、偏った状態から徐々に離れることができるようになっていきます。
解釈や考え方のクセが生まれるきっかけとは
では、この解釈や捉え方、考え方のクセ(B)が人によって違うとして、その違いはどのように生まれたのでしょうか?
その生まれるきっかけはたくさんあって、「この出来事でみんな価値観が形成される」というようなものではありません。
家庭内での役割(兄弟での立ち位置、関係性)、
家族の状態(離婚、親の喧嘩など)、
親からの扱い、しつけ、
親からの期待や失望、親との関係、
子供の時の友人との関係(ヒエラルキー、いじめなど)
など、幼少期からの様々な出来事や状態によって、考え方のクセは形成されていきます。
たとえば、「お兄ちゃんなんだからしっかりしなさい」と言われて育ってきたから「自分はこうあるべきなんだ」という考えが形成されていくような感じですね。
基本的には、強く印象に残った出来事や大きく感情が動いたり揺さぶられるような経験であったり、繰り返し似たような経験をした場合に価値観や解釈は育っていきます。
では「幼少期からの過去のことだから、もう解釈は変えられないのか」というと、そういうわけではありません。
認知行動療法で行うような、解釈をかえるための考え方や行動をしていくことで少しずつ、生きづらさを手放して生きやすい適応的な思考に変えていくことができます。
もちろん色々な方法があるのですが、まずは、
先程お伝えしたように自分の思考が絶対に正しいと思わずに、他の捉え方や解釈の可能性を検討することが大切になります。
「いつも私のせいで…」と落ち込んだ際には
「本当にいつも?」
「そうじゃなかった時はない?」
「私のせい以外の原因や理由はなさそう?」
などを考えてみましょう。
「あの人は〇〇すべきなのに」とイライラしたら
「なんで〇〇すべきなんだっけ?あくまで私の価値観で、私がそう思い込んでるだけじゃない?」
「あの人が〇〇をしないのにはあの人なりの理由や背景があるのかもしれないな」
など考えてみましょう。
このように自分の頭のなかで生まれた言葉に対して、客観的な視点から自問自答をしてみてください。
変えられることに集中しよう
ここまで、Aの出来事とBの解釈、Cの結果・感情との関係や、Bの解釈を変えていく考え方についてお話しさせていただきましたが、
ここで、一度「ニーバーの祈り」という詩を紹介させてください。
神よ、変えられるものを変える勇気を、
変えられないものを受け入れる冷静さを、
そして両者を識別する知恵を与えたまえ
〜 ニーバーの祈りの一節 〜
これは、アメリカの神学者である「ラインホルド・ニーバー」という人の祈りの言葉とされており、アルコール依存症の克服や、薬物依存症、神経症の克服を支援する団体のプログラムや治療の際にもよく用いられます。
Aの出来事や他人の動向を完全にコントロールすることは難しいですよね。
ただBの解釈や捉え方は変えることができます。
この解釈を変えられると、Cの結果や感情も変わってきますので、メンタルの負担は大きく軽減できます。
なので、自分の望む状況に変えていくためには、まず自分の解釈や受け止め方を理解して、変えていくということが大事になります。
出来事はコントロールできないけど、解釈は変えられる。解釈を変えれば結果も変えられる。
変えられることに集中することが大事です。
そのことをしっかりと認識しましょう。
まとめ
今回は「生きづらさを感じている人に足りていない考え方」として「ABC理論」を通して、「解釈によって結果が変わってくる」という視点が弱くなっているとお話しさせていただきました。
「出来事 から 感情(結果)」が直接起こるのではなく、
「出来事 の後には 解釈 があって 感情(結果)」が起こる
ということは常に意識してください。
また、解釈や考え方のクセが生まれるきっかけとして、幼少期からのさまざまな体験や環境が影響しているとお伝えしました。
幼少期からの積み重ねではありますが、今からでも主体的に解釈は変えていくことができます。
何かの出来事に対してイラッとしたり、悲しくなるなどの感情が湧き起こった際に、
「あー。こんな出来事ならイラッとして当然だ」と思うのではなく、
「私はなぜイラッとしたのだろう?」
「私はなぜ悲しかったのだろう?」
と自問自答してみましょう。
「イラッとして当然」とか「普通はそうだから」「常識的に」とか「皆んなそうだから」などもあなたの思い込みなことも多いです。
本当にツラい、悲しい、とかネガティブな感情をいだいた時に、
「あの人がいなければ」とか
「あんなことが起こらなければ」
とコントロールできないようなことに対して思い悩んでしまうことも多いと思います。
そんな時も、自分の気持ちに意識を向けて、
「この出来事の良い受け止め方があるとしたらなんだろう?」
とか
「この出来事から何か学べることはないかな?」
というふうに考えてみましょう。
そういうふうに考えられると、少しずつ自分の受け止め方から、考え方、生き方そのものも変わっていきます。
「こうに違いない!」と決めつけるのではなくて、
「こう捉えてみたらどうかな?」とか「他の解釈はないかな?」というふうに色々な角度から客観的な視点で考えるように生きづらさを減らしていけるのでぜひ実践していただけると、良いかなと思います。
最後に「ニーバーの祈り」という詩を紹介させていただきました。
変えられることと変えられないことをそれぞれ認識して、「解釈や捉え方、またそこから生まれる結果」という変えられることに向き合う勇気を持ちましょう。
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