言いにくいことを上手に伝えるアサーティブコミュニケーションのやり方|アサーション|自己主張
- 自己主張や自己開示が苦手…
- 言いたいことが言えないでいつも我慢している…
- 我慢の限界で相手に伝えたら、ギクシャクするようになってしまった…
コミュニケーションに関してこんな悩みはありませんか?
僕も以前は他人からどう思われるかが気になって、言いたいことが言えずに我慢してモヤモヤしたり、そのせいでイライラを溜め込んでしまっていました。
感情を溜め込めば溜め込むほど、自分が何を感じているか気持ちがわからなくなって、「何か意見ある?」と聞かれても何も答えられなくて恥しい思いもしました。
また、言いたいことが言えないせいで、「何考えているかわからない人だ」とか「ちゃんと本音言ってる?」と言われたりして、対人関係に距離が生まれて、深い関係の仲の友達が作れないということもありました。
そしてしまいには脇見恐怖症やあがり症など他人の目が気になる状態になってしまったのも、自己主張できずに他人軸になってしまった結果だと、今振り返ると思います。
今回の記事では、自己主張が苦手な人でも相手に理解されるコミュニケーションの方法と具体例や使い方などを紹介します。
自分の意見や気持ちをはっきりと伝えることができるようになり、相手とのコミュニケーションが円滑になるので、人生においてとても重要な方法になります。
正直、全ての人にこのコミュニケーション方法は知っておいて欲しいと思っています。それくらい大事なので、ぜひ最後までご覧ください。
「脇見恐怖症ってなに?」という方はこちらの記事をご覧ください↓
〜目次〜
自己主張が苦手な人でも相手に理解されるコミュニケーションとは?
自己主張が苦手な人でも相手に理解されるコミュニケーションとは「アサーティブコミュニケーション」という方法です。
「アサーティブ」とは「自己主張すること」という意味ですが、アサーティブコミュニケーションとは「ただ言いたいことを一方的に言うのではなく、相手を尊重しながら適切な方法で自己表現をする」ようなコミュニケーションのことをいいます。
つまり、「自分の言いたいことを主張する」というだけでなく、「相手を尊重し、信頼関係を築くこと」も重要になるということです。
なぜこのようなコミュニケーションが大切なのか、
自己主張が苦手だという問題意識を持って、いまこの記事をご覧いただいている方にとっては言うまでもないかもしれません。
仕事でのコミュニケーションや友人家族との間のプライベートの場面で、自分の意見や気持ちをはっきりと伝えることが求められる場面っていっぱいありませんか?
上司から「キミは〇〇についてどう思うんだ?」と言われたり
友達からも「どこ行きたい?何したい?」っていわれることが多いですよね。
それに答えられないと「何考えているかわからない」と相手からの自分への信頼に悪い影響を与えるだけじゃなく、自分の自信を損なったり不安やストレスも溜まることになってしまいます。
自己主張が苦手な人は、その場で求められる発言ができるかどうかが不安になり自分の意見を言いにくいと感じたり、他人の意見に押されて自分の考えを言えないということがよくあります。
その結果、自分の本当の気持ちを隠してしまったり、不満やストレスをため込んでしまうことになります。
アサーティブコミュニケーションを身につけることで、自分自身が限りなくストレスを感じずに生きることができ、相手との信頼関係を築くこともできるようになります。
ちなみに自己主張のスタイルは3つあり、一つは今お伝えしてきた「アサーティブコミュニケーション」で、他の2つはアサーティブではないコミュニケーションとして
- 攻撃的な自己主張
- 受け身で全く自己主張しない
という2つがあります。
「攻撃的な自己主張」とは相手の感情や意見を無視して、「ただ自分の思っていることや気持ちを伝えられれば良い」というような一方的なコミュニケーションです。
感情的で、相手を委縮させたり受け身にさせてしまいます。パワハラをしてくる相手をイメージしてもらえるとわかると思います。
「受け身で全く自己主張しない」状態は、人の目を過剰に気にして自分の意見を言うことで対立してしまうことや嫌われることを恐れてしまう状態です。
発信していないだけで、自分の考えが全くないわけではないので不満やストレスを溜め込んでしまいます。以前の僕はまさにこのような状態で、悩んでしまっていました。
「自己主張をすることが大事」と聞くと「攻撃的な自己主張」を想像して他人との衝突が怖くなってしまうかもしれませんが、「自分も相手も尊重する」ウィンウィンな状態を目指すことこそがより良い自己主張だということをまずは知っておくことが大事です。
アサーティブコミュニケーションの基本の4要素
アサーティブコミュニケーションの基本的な要素として以下の4つのポイントがあります。
- 自分にも相手にも誠実であること
- 正直に感情を伝える
- 前向きな表現で要望や提案を伝える
- アイメッセージを使用して、責任を自分が受け持つ
それぞれ簡単に説明します。
自分にも相手にも誠実であること
これは今までお伝えしてきているように、そもそもアサーティブコミュニケーションの原則でもあります。
「攻撃的な自己主張をしていた自覚のある人」はもっと相手に対して誠実に尊重し、相手ばかり気にして「受け身で自己主張していなかった人」は自分に対して誠実でいることを意識しましょう。
相手と自分の意見が異なる場合、自分の意見が絶対正しいと押し付けてはいけませんし、無理やり賛同する必要もありません。
一度相手の考えや意見を受け止めてから、自分の考えも示すようにしましょう。誠実な態度と言葉選びをすることによって、円滑なコミュニケーションを実現できます。
正直に感情を伝える
自分が何を求めているのか、どのような感情を抱いているのかを率直に伝えることで、相手との信頼関係を築くことができます。
遠回しに言ったり、曖昧な表現を使用するとうまく伝わらずに誤解を生んでしまいます。特に、「受け身で自己主張していなかった人」は今まで感情を伝えずに我慢して抑え込んでストレスになっていたと思いますので、この点を意識することで自分のストレスを軽減しながらコミュニケーションを深めることができます。
前向きな表現で具体的に要望や提案を伝える
例えば、仕事上で業務の依頼をされた時など、「今日は忙しいのでできません」と伝えるのではなく、
「今日は難しいですが、明日なら時間を空けることができます。いかがですか」
のように伝えることで、相手も否定されたような感覚は受けず人間関係も良好に保ったまま建設的な会話を進めることができます。
アイメッセージを使用して、責任を自分が受け持つ
このアイメッセージはとても大事な伝え方です。
アイメッセージとは、「アイ」つまり「私」を主語にしたメッセージの伝え方です。
「私はこう思います」というように自分を主語にすることで自己責任を伴う前向きなメッセージを伝えられます。
逆にユーメッセージとは、「相手」を主語にするメッセージの伝え方になり、ユーメッセージだと相手に責任を押し付けて責める攻撃的な伝わり方をしてしまうことがあります。
例えば、仕事で部下を指導するような場合
「あなたはなんでこのやり方をしたの?」とユーメッセージで伝えると部下は責められているように受け取る可能性がありますので、
「私はあの方法が良いと思うんだけど、どう?」
のように、「あくまで私の意見」としてアイメッセージで伝えることで相手を尊重した対話ができます。
アイメッセージは自分自身の気持ちや感情について、客観的に伝えるためのコミュニケーション方法です。アイメッセージを使うことで、自分自身の感情や考えをはっきりと相手に伝えることができて、相手との誤解や衝突を防ぐことができます。
またアイメッセージは、相手を攻撃する言葉遣いにならずに、相手に自分自身の気持ちを伝えることができます。
アイメッセージの使い方のポイントとして3つ整理すると
- 「私は○○と感じます」など、自分自身の感情や考えを具体的に表現する。
- 「あなたは」というような相手を攻撃する言葉は避ける。
- 具体的な行動や状況について説明する。
という感じです。
具体的な行動や状況について説明するは、例えば、「あなたはいつも遅刻するから迷惑なんです」と言うよりも、「あなたが遅刻してしまうと、私は時間に追われることが多くてストレスに感じてしまいます。今後は、できる限り時間通りに来ていただけると助かります」というふうにアイメッセージを使って具体的にかつ前向きに伝えることが大事です。
アサーティブコミュニケーションの具体的な使用場面
実際のシチュエーションでの、アサーティブコミュニケーションの例をいくつか紹介します。具体的な言葉遣いや表現方法も合わせて説明します。
自分の意見をはっきりと表明したい場合
例えば、会議で自分の意見を述べる場合、
「私はこう考えています」
「私はこの案に賛成です」
「私が思うに、こうするべきです」
このような表現がアサーティブなコミュニケーションになります。
言い方や語尾などは状況や相手に合わせて調整してみてくださいね。
他者の意見を尊重した上で自分の考えも伝えたい場合
他者の意見に対しても、アサーティブなコミュニケーションで応じることが大切です。
特に上司や目上の人が相手だと、まず受け入れることや尊重することが大事ですよね。
相手の意見を尊重しつつ、自分の考えを伝える例を紹介します。
「そう思われる方もいらっしゃるでしょうが、私はこう考えます」
「確かにその案もありますが、私はこちらの案が〇〇の点で優れていると考えています」
こんな感じで伝えてみてください。
友達の場合だったら
「〇〇くんはそう思うんだね。僕は個人的にはこう思うな」
「確かにドライブ行くのも楽しそうでありだね。でも今日はゆっくりしたいから映画がいいな」
このような感じで伝えてみてください。
提案や要望を出したい場合
何かを依頼する場合や提案をする場合、具体的な内容を伝えることがアサーティブなコミュニケーションです。具体的な要望や提案をする例を紹介します。
例えばこんな感じです。
「お手数ですが、こちらの書類は〇〇のために必要ですので、明日までに提出していただけますか?」
「今後は、会議の前に資料を配布していただけますか?そうしていただけると、事前に意見をまとめられるので会議をより良い時間にできると思います」
こんなふうに具体的な理由などを説明してみてください。
友達などの場合だと
「予約するから、あしたまでに連絡してほしい」
「今度行く旅行で行きたいカフェとか調べてくれない?お互い調べたほうがいい場所見つけられると思うし、〇〇ちゃんセンスいいから絶対いいところ見つかりそう」
こんな感じで伝えてみてください。
攻撃的にならず自分の主張を伝えたい場合
どのような場面でも、相手に対して攻撃的にならないことを心がけることがアサーティブなコミュニケーションの大切な要素です。以下は、攻撃的にならず自分の主張を伝える例です。
「ご存知かもしれませんが、今〇〇の業務に取り組んでいます。ですので、すみませんが今はそちらの仕事を手伝えそうにありません」
「申し訳ありませんが、私たちはこの案を採用することはできません。しかし、〇〇の考え方は非常に良かったので、その点は残して別のアプローチをご検討いただけますか?」
友達やもっとラフな関係であれば
「ごめんいまちょっと〇〇で忙しいから、またあとでもいい?あとで折り返すね」
など相手を尊重した上でやさしい表現にしてみましょう。
アサーティブコミュニケーションの段階的な使用方法:「DESC法」とは
アサーティブコミュニケーションではDESC法と言われる段階的な自己主張の手法があります。
自己主張を4つの段階に分けて柔軟に対応できます。
まずDESCとはそれぞれ、
- D=Describe(状況の説明する)
- E=Explain(考えや感情、意見を表現する)
- S=Specify(自分の要望や提案を具体的に提示する)
- C=Choose(相手の返答に対して行動を選択する)
をあらわしています。
Describeでは、今の状況や問題点を客観的に説明します。この段階ではできるだけ自分の考えではなく事実を述べるようにします。
Explainでは、状況に対する自分の主観的な気持ちを、悲しい・辛いなどアイメッセージで主張するようにします。この段階で相手は自分の言いたいことを察して解決することも多いですが、解決しない場合は次に進みます。
Specifyでは相手にしてほしいこと、妥協案や解決策を具体的に呈示します。相手が受け入れやすい表現を意識しましょう。自分の希望や要望を明確に伝えることで、相手は意図を正しく理解することができます。
Chooseでは、最後に、自分の要望や提案が受け入れられた場合もしくは受け入れられなかった場合、それぞれに対して行動を選択します。自分の要望が受け入れられなかった場合には、再度specifyに戻って妥協策を探ることも大事です。
DESC法の使用例①ビジネスの場面
それでは、具体的に自己主張が必要とされるような仕事上の場面でDESC法を使用した例をお伝えするので、実際に自分だったらどう伝えるかも考えながら見てみてください。
状況として「上司から定時ギリギリのタイミングで仕事を押し付けられてしまった場面」を想定します。
今の仕事を終わらせたら定時で上がれそうだと考えていた時に「いますぐこの書類を作成して欲しいんだけど」のように声をかけられる感じです。実際こういう場面って嫌ですよね。疲れていたり、その後予定があればなおさら嫌になるかと思います。
まずDescribeでは事実として、
「出さないといけない書類が溜まっているんですね。ただ、すみません、現在〇〇課長から依頼された業務を行なっていますので、今すぐには書類の作成に取り掛かれません」
Explainでは自分の感情や意見として、
「お力になりたいのですが、今日はこの後予定もあり残業ができないので、依頼にお答えすることができません」
Specifyでは提案や要求として、
「もし期限を明日に伸ばしていただけるなら、明日の午前中には作成してご提出できますがいかがでしょうか?」
Chooseでは提案への返答に対して、
YESの場合には
「ありがとうございます。それでは明日の12時までには提出させていただきます」
または
「いや、今日中に作る必要がある書類なんだ」のようにNOだった場合には
「承知しました。それでしたら、他の社員にお願いできないか、声かけしようと思いますがよろしいですか?」のように再度、Specifyに戻って提案しましょう。
DESC法の使用例②プライベートの場面
それでは、プライベートの場面で、相手に対してイライラを溜め込まずにお互いのためにも自己主張をしたほうが良い、というような場面を想定してみましょう。実際に自分だったらどう伝えるかも考えながら見てみてください。
状況として、「友人が遊ぶ予定の待ち合わせ時間に対して連絡もなく遅刻して来た」というような場面を想定します。時間にルーズな友人がいるとイライラしてしまう気持ちはあるかもしれませんが、ここでDESC法を使えたらいい友人関係が作れると思います。
まずDescribeでは事実として、
「〇〇時待ち合わせだったけど、何か事故とかあったの?」
Explainでは自分の感情や意見として、
「もしかしたら事故に巻き込まれてるかもとか思って、すごい焦ったし、心配やったわ」
Specifyでは提案や要求として、
「言いにくかったかもしれないけど、遅刻しそうだとわかったタイミングで連絡してほしいんだけど、どう?」
chooseでは提案への返答に対して、
YESの場合には
「ありがとう。状況が分かれば安心できるし、集合時間とか場所とか調整できるから助かる」
または、
連絡したくないとか、何かしら言い訳をいわれるようなNOの場合には
「そっかぁ、LINEでスタンプだけとか一行だけとかでも難しい?遅刻が続くと、”どうでもいいと思われてるのかな」”とか不安になっちちゃうな。〇〇とはこれからもいい気持ちで遊びたいし、調整できるとありがたいな」
このように再度、Specifyに戻って提案しましょう。
おわりに
今回はアサーティブコミュニケーションついてお伝えしました。自己主張は一方的に伝えるのではなく、自分も相手も尊重して適切な落とし所を探ることが大切です。
自分自身の意見や感情を適切に伝えることで、人間関係を円滑にして今よりも良い状態に改善していくことができます。
まずは家族や友人にお願いして伝え方を実際に練習をしてみたり、
「今日はこういうふうに自分の考えをぶつけてしまったけど、こういう風にアサーティブなコミュニケーションができたかもな」と日記に書いてみることもおすすめです。
振り返ってみることで身に付いていきます。アサーティブなコミュニケーションを身につけて、人生をより豊かにしていきましょう。
現段階で自分の意見を言うのが苦手だという人もご安心ください。僕も昔は「相手がどう思うか」を気にして自分の意見を言えないことが多かったですが、今回お伝えしたアサーティブコミュニケーションの考え方を知って少しずつ自分も相手も尊重したコミュニケーションが取れるようになっていきました。
自分の意見が言えるようになると、感情を我慢する必要はないので、すごく生きやすくなります。そして、ちゃんと伝えることできたって達成感や成功体験にも繋がります。
相手からも意見言わないわからない人ではなく、自分について印象を持ってもらえたり理解してもらえるので、表面的ではなくて深い繋がりができます。いままで本音で付き合える関係がいないと感じているひとは、ぜひ少しずつ取り組んでいきましょう。
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僕自身が脇見恐怖症で悩んでいた頃の経験談や、そこからの今の考えなどもお伝えしていますので、動画講座をご視聴いただく方たちにも自分ごとに受け取っていただけると思います。
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