[嫌われてる気がする]心理学 “投影”とは?原因と治し方
今回は、心理学の「投影」についてお伝えしたいと思います。
あなたはこんな悩みはありませんか?
・「他人からこう思われているに違いない」と考えて自分を責めてしまったり、他人からの批判や否定に敏感になる
・自分に自信が無くて、目の前の相手も自分のことを嫌っているように感じる
・他人を信用できず、疑ってしまう
これらの悩みには、「投影」が働いているかもしれません。
僕も以前、視線恐怖症で悩んでいた当時は、周りの人から「きっとおかしいやつだと思われているに違いない」というふうに考えて、”他人は自分を否定してくる相手”だと思って信用ができない状態でした。
今回はこんな以前の僕のように自分を責めがちな人や自分に自信が持てない人、他人を信用できない人に向けた記事です。
自分がそのように考えて悩んでしまう原因や改善法を知ることができますので、ぜひ最後までご覧ください。
以前、こちらの【目を合わせる・目を見て話すが苦手な人へ】の記事の中で、
視線恐怖症の改善方法の一つとして「自分を肯定することと相手を信頼すること」をお伝えしました。
その中で「自分が自分を批判的に捉えているから、相手も自分のことを批判的に捉えていると思い込んでしまう」という話から「投影」について簡単に触れました。
この「投影」に関して記事を見た方から質問のメッセージをいただいたり詳しく教えて欲しいという意見もありましたので、今回、メカニズムや事例、解決方法など具体的にお伝えしたいと思います。
「目を合わせるのが苦手」という人はこちらから前回の記事もぜひご覧ください。
それでは早速「投影」について見ていきましょう。
〜目次〜
「投影」とは?発生する仕組みと与える影響
まず、心理学の「投影」とはなんなのかということと、「投影」が発生する原因、問題点を整理していきます。
「投影」とは?
「投影」とは、自分の感情や感覚、願望、思考を、自分自身ではなく他人やものに映し出して「あたかも相手がそう感じているんだろう」と感じることを言います。
「他人は自分自身を反映する、写し鏡である」というような考え方です。
つまり、自分自身の気持ちや欲求を他人に「投影」し、その他人の行動や特徴に対して自分自身が感じる反応が、実際には自分自身の気持ちや欲求が反映されたものである場合があるということです。
「投影」はなぜ起こるのか?
この「投影」は心理学で「防衛機制」と言われる「不快な感情やストレスに直面したときに、心理的に自分自身を守るために働く心の仕組み」のうちの一つで、自分自身の感情や願望を受け入れづらい時に起こりやすく、自分自身を守るために使われます。
なぜこの「投影」が自分を守ることになるのかというと
“自分自身が抱えている感情や問題を他者や物事に「投影」することで、「自分の問題ではなく他人の問題である」というふうに自分自身が直面することを避け、不快な感情やストレスから自分自身を守る”
ことができるからです。
また、「投影」が発生する理由の一つとして、自己理解・自己認識が不十分であったり不安定であることも関係しています。
自己認識が不十分である場合、自分自身の欲求や感情を把握することが難しくなり、そのために他人に自分自身の感情や欲求を「投影」することが増えます。
例えば、ある人が「自分自身が怒っていると気づかないまま、他人に対してそのイライラを投影しまう」という場合があります。
自分の感情や感覚を抑え込んでいたり、目を向けないようにしている人は、このような傾向があります。
また、毎回新たな出来事に対して「投影」が発生するのではなく、過去の経験から、特定の行動や感情が自分自身にとって不快な状況を引き起こしたという学習をしている場合、似たような状況や相手の時に、行動や感情を他者に「投影」することで、自分自身が不快な状況を避けられるという学習が働くということも、「投影」が発生する理由の一つです。
「投影」の何が問題なのか
防衛機制の働きとして自分自身を守るためとはいえ、「投影」は自分への認識や他者への認識を歪めてしまうため、長期的には自己成長や自分自身の直面する問題の解決、人間関係やコミュニケーションに対して良くない影響を与える可能性があります。
例えば、あなたが「(あの人なんだか苦手だな…)」と感じた人を「あの人が自分のことを嫌っているに違いない」と相手に対して「投影」した場合、ずっと誤解したままのような状態なのでその人との関係が良くなることはありません。
また、本当は自分自身が問題を抱えているのに、「自分じゃなくて他の人がその問題を抱えている」と「投影」してしまうと、自分自身の問題解決が遅れる可能性が高いです。
例えば、後ほど詳しくお伝えしますが、「自分が自分自身を責めて自己批判し続けていること」が本当の問題で、自己肯定感を下げている原因にもかかわらず、「いつも他人が私を受け入れないで、批判の目を向けてくる」と他人に「投影」すると「自己批判し続けている」という問題から目を背けることになります。
「投影」は、誰しもが陥りやすい心理現象であり、自分自身や他人との関係性においてこのような仕組みが働いている可能性があることをまずは理解することが大切です。
「投影」のよくある事例
「投影」が起こる具体的な場面や例をお伝えしていきます。
あなたに当てはまるところはないか、例から考えてみてください。
嫌われ不安の「投影」
「相手が自分のことを嫌っているかどうか明確な根拠があるわけではないが、なんだか嫌われているように感じる…」というとき、”自分で自分を嫌っている。自分を責めている”という場合があります。
「自分が自分のことをよく思わないように、この人も自分のことをよく思わないのではないか」と相手に対して「投影」している状態です。
自分の欠点を受け入れられない時の「投影」
自己評価が低く、自分に自信がない人は、自分が弱いと感じる部分を他人に対して「投影」して、他人に自分と同様の性質を見出してしまうことがあります。
自分が苦手なことや不得意な分野がある場合、それを他人に「投影」してしまい、その人が自分と同じように苦手な分野でうまくいっていないと判断してしまいます。
また、自分自身が感じている不安や心配事を、他人が同じように感じていると思い込んでしまうこともあります。
先程の「自分が自分を責める感情」を「他人が自分を責める感情」だと思い込むだけでなく、このように「自分の自信のないことや分野」を「他人も同様にできていない」と他人に映し出すこともあります。
恋愛における疑心暗鬼の「投影」
自分自身が持っている感情や欲求を、パートナーに対して「投影」することがあります。例えば、自分自身が不安定な気持ちを抱えていたり、自分自身に本当はやましい気持ちがあるというような場合、パートナーに対して過剰に疑心暗鬼になることがあります。
これはわかりやすいように極端な例ではありますが、「あの人は浮気しているんじゃないか…」と疑うような気持ちはそもそもあなた自身が少しでも「(自分も浮気する可能性があるかも)」と思っていなかったら出てこない、というようなイメージです。
自分自身の問題をパートナーに「投影」してしまい、パートナーとの関係を悪化させてしまうことがあります。
自分への期待や責任の「投影」
例えば自分自身が仕事や人間関係で「こうすべき」や「こういう状態を目指して当然」と思っていることを他人に対しても無意識で求めてしまうような場合です。
相手にも同様の責任感や理想を押し付けて、過剰な期待をして相応の行動や反応を求めてしまい、相手を責めてプレッシャーをかけてしまったりあなた自身もイライラしたりストレスを抱えてしまいます。
「投影」による問題を解決する方法
ここまであげてきたような「投影」による問題を解決していくためのステップを、大きく分けて3つに分けてご紹介します。
①「投影」を自覚する
「投影」を解決するには、まず「あなた自身が他人に投影していることを自覚する」ことが必要です。そのために自己認識を深めていきます。
自分自身がどのような感情や思考を抱えているのか、自己分析をします。自分自身の心の内面を深く掘り下げ、自己認識を深めていきましょう。
自己理解を深めていくことで、自分自身が抱えている問題を正確に理解し、それを他人に「投影」してしまっていることに気付くことができます。
自己理解を深めるための方法として、以下の2つをぜひ実践してみてください。
「投影」を自覚する方法(1)メモや日記をつける
自分自身の感情や思考を記録することで、自分自身がどのような状態にある、その日どのように感じたのかを客観的に見ることができます。メモや日記をつける習慣をつけることで、自分自身の感情や思考に気付きやすくなることもできます。
「投影」を自覚する方法(2)理解のある知人や専門家と話し合う
自分自身の感情や思考を他人に話すことで、自分自身がどのような状態にあるのかを客観的に見ることができます。また、相手からのフィードバックを受けることで、自分自身が気付いていなかったことに気付くことができます。
「投影」を自覚する上では、自分自身や相手に対して、先入観や偏見を持たず、相手の立場や視点を理解するということが大事です。「相手はこう思っているはず」と決めつけるのではなく、客観的な視点から事実を受け取るようにしましょう。
②「投影」による問題を認識する
次に、自分自身が抱えている感情や思考を他人に「投影」することが「なぜ問題なのか」を理解することが重要です。
ここまでお伝えしてきたように「投影」によって長期的には問題に発展してしまうことが多いですが、無意識で行っていることなので、あなた自身がそれを問題だと捉えていない場合には解決に向かうことができません。
自分自身の感情や問題に向き合うことなく、「自分自身の問題を他人の問題」だと間違った認識を持ってしまい、自分自身の問題解決が遅れたり、人間関係が悪化することがあります。
また、他人に自分自身の問題を押し付けることは、相手に対してストレスやプレッシャーを与えることにもなります。
具体的には、先程、「投影」を自覚して自己理解を深めて自分自身が感じている感情や思考を正直に認めた上で、それがなぜ自分自身にとって問題なのかを自己分析しましょう。
「投影」をすることがなぜ問題なのかを理解することで、自分自身をより深く理解することができ、より良い人間関係を築くことができるようになります。
③問題解決の行動を探して実行する
最後に「投影」とそこから発生する問題の解決のために、どのような対策が必要か探して、実行していきましょう。
まず、あなたの抱える問題への対処法を考える
自分自身が抱える問題に対して、どのような対処法があるかを考えることが重要です。たとえば、自分自身への期待や責任感が強すぎるあまり、他人にも「投影」して過剰な期待をかけてしまうという場合は、自分自身の能力や責任範囲を正しく把握し、他人に任せることができることを実践することが重要です。
コミュニケーション能力を向上させる
「投影」は、他人に自分自身の問題や感情を思い込みで映し出してしまうことで起こります。そのため、相手にあなた自身の感情を押し付けずに適切に表現するために、コミュニケーション能力を向上させることは大事です。
具体的には、まず、積極的に相手の意見に耳を傾けましょう。「相手が自分に何を伝えたいのか」を理解することができれば、自分の思い込みで「投影」することも減ります。
また相手がどのような気持ちや考えを持っているのか、その背景や理由に思いを巡らせることでて、相手の視点を理解していくことができます。
相手の話を理解したうえで、誤解がないかどうか確認することも大切です。相手の考えや感情を丁寧に確認することで誤解を避けることができます。
そして、自分自身の感情や考えを冷静に伝えることも大切です。自分がどのような感情や思考を持っているのかを相手に伝えることで、相手も自分の気持ちを理解することができます。
並行してストレスマネジメントを行う
自分自身が抱えるストレスが「投影」につながることがあるため、問題を解決していくための行動とあわせて、ストレスマネジメントを行うことも重要です。
具体的には、ストレスを発散するための運動や趣味、コミュニティを持ったり、リラックスするための時間を作ったりすることがおすすめです。
これらの具体的な行動を実践することで、自分自身が「投影」をすることを減らし、問題解決に向けた効果的な対処法を見つけていくことができます。
また、「投影」を理解するためには、客観的な意見をくれるような専門家のアドバイスや支援を受けることも有効です。あなたが自己分析や自己理解を深めるサポートを行ってくれるはずです。
以上のように「投影」とそこから発生する問題を理解して解決していくことで、人間関係を改善し、自己成長につなげることができます。
おわりに
一番伝えたかったこととして、「自分自身が抱える感情や思考を他人に投影してしまうことは、自分自身の問題解決を遅らせる可能性がある」ということと、まずは「投影をしているかも?」と自覚することが大切だということです。自己分析から、「投影」を理解し、問題解決のために具体的な行動とっていきましょう。相手に対して偏見を持たずに接することも大切です。
「投影」はそもそも自分の心を守るために起こっている仕組みなので、なかなか自覚するのは難しいです。ずっと悩み続けて「相手はいつも自分に対して否定してくる」というように考えているかもしれません。僕も以前はそのように悩んでいましたが、このような考えは客観的な視点を養っていくことで改善していくことができます。ここまで記事を見ていただいている方は少なくとも、「私は投影をしてしまっているかも?」という視点は得られていると思いますので、絶対に大丈夫です。少しずつ前進していきましょう。
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