目を見て話せないあなたへ【克服法 3選】[正視恐怖症]目を合わせるのが苦手

(動画でご覧になりたい方はこちら。約17分間です)

今回は、視線恐怖症のなかでも、特に「相手と目を合わせることに苦手意識をもってしまう方」にむけて、その原因や改善方法についてお伝えします。

あなたは、相手の目を見ること、目を合わせることに対して苦手意識はありませんか?

例えば、

  • プレゼンなど人前で話す場面で、聴いている人達の目を見るのが怖い…
  • 上司に報告する際に何か責められているような気がして目を合わせるのが怖い…
  • 営業職の人は取引先の人と交渉する場面などで相手を見ることが難しい…

こんな風に仕事場面で辛くなっていまう方はけっこう多いと思います。

またプライベートの場面でも、

  • 友達とコミュニケーションをとるときに、目に意識を向けすぎて話に集中できなくなってしまう…
  • コンビニの店員さんや飲食店の店員さんと目を合わせるのが辛くなってしまう…

など日常生活に支障をきたしてしまうって方もいるかもしれません。

実際僕も視線恐怖症で悩んでいた当時は、視線の向け方が気になって、人との話に集中できなくなったり、人からの視線にすごく敏感になっていました。

このように人と目を合わせることに強い苦手意識や恐怖を感じる状態を、視線恐怖症の中でも特に正視恐怖症と言います。

今日はそういった視線恐怖症、正視線恐怖症で悩まれている方にむけた内容です。

視線恐怖症、正視恐怖症とは何かということと、視線恐怖症の原因、視線恐怖症を改善する3つの方法をお伝えしますので、自分の症状や悩みを整理して、改善のための行動を知ることができます。

僕は視線恐怖症や脇見恐怖症の方、コミュニケーションで悩んでいる方達のWaReKaRaゼミというコミュニティを運営しています。他の記事でも今回のように視線やコミュニケーション、人間関係の悩みに対する改善方法などをお伝えしていますのでぜひ他の記事もご覧ください。

視線恐怖症とは

脇見恐怖症とは

視線恐怖症は、「自分が他人からどう見られているか」もしくは「自分の視線が何か迷惑を掛けているのでは」と視線のことばかり考えてしまう症状です。

いわゆる社交不安障害の中の症状の一つで、社交不安障害とは「社交」つまり「人と人との付き合い」に対して不安を感じる精神疾患ということです。

人と関わる特定の状況や、もしくは人と関わる全般において、強度の不安感に襲われ、動悸、震え、発汗、赤面、下痢、緊張、混乱などのさまざまな症状が現れます。

視線恐怖症にはいくつか種類があります。

他者視線恐怖症

1つは他者視線恐怖症です。他人の視線が気になってどう見られているかにしつこくとらわれる症状です。自分の見た目、言動が悪く評価されているのではないかと考えてしまいます。

脇見恐怖症(自己視線恐怖症)

2つめが脇見恐怖症(自己視線恐怖症ともいいます)、自分の視線が相手に迷惑をかけているとか、嫌な思いをさせてしまっているという、自分を責めてしまう恐怖症です。これは他の記事でもよくお伝えしているので皆さん知っている人や悩まれている人も多いかと思います。

「目を合わせるのが苦手」な理由として「自分の視線が他人に迷惑をかけているから」と考えてしまう人は脇見恐怖症かもしれません。脇見恐怖症についてはこちらの記事にまとめていますのでご覧ください。

正視恐怖症

人と目を合わせるのが苦手

3つめが今回お伝えする正視恐怖症です。

人と目を合わせることができない恐怖症です。

目を合わせないことが失礼だと思って合わせようとするんですが、ぎこちない感じになって視線をどこに向ければいいかとわからなくなってしまいます。

またその視線が威圧感があるのではいのか、相手は不快な思いをするのではないかと考えて不安になります。

また正視恐怖症はなかでも2種類あって

1つは目を見ることができないケースです。自分から人と目を合わせることができず、相手の目を見て話をすることができない場合があります。

2つめは目を見られることが怖いと感じてしまうケースです。他人に目を見られることが不安になってしまいます。話をしている最中に相手の視線を感じると、不安や緊張を感じ、相手の目を見ることができなくなってしまう感じです。見ること見られること両方苦手というかたも多いです。

視線恐怖症の原因

視線恐怖症の原因は他の社交不安障害と同様に過去のトラウマ体験や、それによる認知の偏り、また脳内物質の偏り、遺伝的要因など、様々な要因が絡んでいますが、代表的な原因としては過去のトラウマ、社会的な要因、そして自己肯定感の低下が挙げられます。

過去のトラウマ

視線恐怖症 うざい と言われるなど

まず、過去のトラウマが視線恐怖症の原因となることがあります。

過去に辛い経験をした場合、そのトラウマを引きずってしまうことがあります。トラウマは人の体験によって様々ですが、過去にいじめを受けた経験がある場合などがあります。

いじめられる要因は様々かもしれませんが、いじめの中で目を合わせるだけで、「こっち見るなよ」と言われたとか、目つきに関わることで何か言われたことが、すごく印象に残っている場合だと、視線のせいで相手は不快感を感じてしまうんだという思考になりやすいです。

いじめまではいかなくてもちょっとしたことで、トラウマになってしまうこともあります。

目つきなど容姿のことでバカにされたり、周りから否定されたりすると、「自分の目つきがおかしいから自分はダメなんだ…」と思ってしまうとかもあります。

また、ぼっーっと見てただけだけど、「そんなに見ないで」って言われたことが印象に残って、目つきが鋭いことで相手に怖い印象をもたれてているのではないかと考えるようになってしまった。迷惑をかけて罪悪感をもってしまった方もいます。

学校や会社などのいじめだけでなく、家庭内が厳しい親だった、酷いケースだと虐待があったパターンもあるかもしれません。

そのような過去のトラウマから、自分自身を守ろうとして警戒心が高まり、他人に対しても警戒的になってしまうことがあります。相手の目を見ることによって過去のトラウマが蘇ってしまうため、目を合わせることができなくなってしまうのです。

あなたが見ていたことや目があったことに対して「気持ち悪い」と言われたことがあるという場合や、そのせいで罪悪感を感じてしまうという人は、こちらの記事でそういった場合の考え方をまとめていますのでご覧ください。

社会的な要因

次に、社会的な要因ですが、1つは「目を見て話さないといけないという固定概念」に囚われることが、視線恐怖症の原因となることがあります。

親から目を見て話しなさいと言われてきた、学校や会社で目を見て話さないことで怒られた。他者とのコミュニケーションにおいて、目を見て話すことが必須だとおもいすぎると、目を合わせられているかどうか、そのことばかりに意識が向いてしまう状態になってしまいます。

世間体ばかりを気にして、人に迷惑をかけないかどうか、他人に見られても恥ずかしくないかどうかという基準で行動していきます。

また親や先生の顔色をうかがって「いい子」にしていた人ほど、感情を抑圧したり、本当の自分を隠したりします。

そういった感情の抑圧や本当の自分を隠そうとして、ばれてしまうことへの不安から人の目が気になりやすくなります。

そのような人の目を意識して過ごしてきた幼少期が、他人の目を気にする現在につながっているのです。

また、自分の外見や表情に対する過度の不安がある場合、それが原因で視線恐怖症になることがあります。今はSNSやネットが発展して、他人との直接的な交流が減ってきている時代でもあります。

SNSやネット広告では、美容や整形に関するものなど見た目に関する情報が多く、いかに対人関係において外見が重視されているかがわかります。そういった意識が潜在的に積もっていって、他者と関わる上で外見が重要など思うようになり、目つきがおかしいから自分は嫌われているかもしれないと思うようになります。

そのような他人からどう見られているかを気にして、自分の外見や表情に関する否定的な意見を受けた場合より強く視線のことを意識してしまうようになってしまった方も多いです。

自己肯定感の低さ

自己肯定感が低い

さらに、自己肯定感の低さが視線恐怖症の原因となることがあります

自己肯定感とは、ありのままの自分自身を認めているかの価値基準のことです。自己肯定感が低い場合、自分自身に自信を持つことができず、自分を否定的に見てしまうことがあります。

自分自身のことを「ダメな存在」「迷惑をかける存在」と責めてしまうことで、こんな自分はここにいてはいけない、相手とコミュニケーションとってもつまらないんじゃないのかとより強く思うようになります。

そして、相手の表情や態度、目を見ることによって、自分を否定されていると感じてしまい、目を合わせることができなくなってしまうことがあります。

これらの原因は単独で起こることもありますが、多くの場合は複数の原因が組み合わさっています。

また、もともと繊細な気質があって、人と関わることのストレスへの耐性や社交性が低いケースもありますし、その他の社交不安障害やパニック障害、強迫性障害、うつ病など、他の精神疾患が重なることで、症状が悪化する場合があります。

このように、視線恐怖症の原因は様々であり、その原因によって改善方法が異なってきます。まず原因を理解することが改善の第一歩です。どんなパターンがあるか考えてみましょう。

こちらの記事で自己肯定感を高めるための簡単に実践できる方法として「リフレーミング」という手法を紹介していますのでのでぜひご覧ください。

視線恐怖症を改善するための方法

次に、視線恐怖症を改善するための方法についてご紹介します。

原因によってアプローチは様々ですし、すべてをお話することは難しいですが、ここでは3つ紹介します。

1.捉え方を変える

視線恐怖症の方は、相手の視線を自分に向けられることを極度に恐れ、常に敵意や批判的な視線を感じてしまいます。

しかし、このような捉え方は実際には現実とは異なり、自分が感じるような敵意や批判的な視線は、相手は実際に思っていなかったりします。

実際には何も言われたことはないけど、勝手に自分でそう思っているという人は多いです。

捉え方を変えることによって、冷静な視点から相手の視線を見ることができるようになります

まず、相手の視線の意味を考えてみることが大切です。相手が自分を見つめている理由は何か、何を意図しているのか、自分が何をしているのかを考えることで、その意味を理解しやすくなります。

たとえばコミュニケーションにおいて目をあわせている場合はきっと真剣に話を聴いてくれているから理解しようとして目を合わせてくれていることが多いです。

また、仮に怪訝そうな顔をしていても、仕事の場面で話の内容が理解しづらいケースだと、難しい表情になるのは普通です。

また相手の体調が悪かったりすると、暗い表情になってしまうケースもありますし、自分の問題ではないこともたくさんあります。

また、相手が自分を見つめている理由は、単に関心があるだけか、何も考えてない場合がほとんどです。

自分に興味を持ってくれている人かもしれないし、ぼーっとしてたまたま視線があっただけかもしれません。相手が自分を見つめる理由は、敵意や批判的な視線を感じる理由とは異なり、自分の問題ではないということを頭に入れておくことが重要です。

さらにもうひとつ、自分が相手の目を見ること避けている場合は、相手の視点になって冷静に考えてみることが必要です。

人と話をするときは目つきや目線だけで判断している人は少ないです。

相手を全体的に見て、笑顔などの表情、声のトーン、うなずくなどの動作、話の内容などを通して相手を見ています。

目つきや目線だけで否定的な評価はされません。

目線や目つきなど視線のことに囚われていると、自分ではそのことばかりになりますが、実際はそうではないことを覚えておいてください。

なかなかそうは思えない人は、自分だけで考えていると思い込みは強化されていくので、カウンセリングなどで人と話すと距離を置いて見ることができるようになります。カウンセリングで客観的な意見を聞きながら考えていくことで認知の歪みが修正されていきますので、利用してみるのもひとつです。

2.自分を肯定して、相手を信頼する

自分を肯定したり、自分自身に優しく接することも重要です。

まず相手が批判的に見えてしまう人は、自分が相手を信頼していないことが考えられます。他人が敵、否定してくる相手と思っていると、目を合わせることが難しくなるのは当たり前なんです。

相手から何も言われていない限り、あなたのことを批判的に見ていない可能性の方が高いですよね?

何も否定的なことを言われていなければ、相手を信頼するように心がけることが大切です

しかし、とはいっても相手を信頼することは、頭でわかっていてもこれまで悩んできた人にとっては難しいです。

なぜ難しいのかというと、それは自分が一番自分のことを批判的に見ているからなんです。

自分が自分に対して、そういった見方をしているので、相手に対して批判的に見てるんじゃないのかと疑ってしまいます。

それを心理学で投影といいます

投影とは、自分の感情、感覚、考え方などを、人に映し出し、さも「相手がそう感じているのだろう」と思い込むことをいいます。自分の心のなかにあるものを、外側の世界に映し出しているので、投影と呼ばれています。

私たちは無意識に自動的に投影をしているので、もし自分に対する思いグセがあれば、それがあたかも真実であるかのように映し出されます。

「自分が心のなかで思っていることなのに、相手がそう思っているのだろうと感じてしまう」ということです。

  • 自分が自分のことをよく思わないように、人も自分のことをよく思わないのではないか?
  • 自分が自分のことを受け入れられないように、人も自分のことを受け入れないのではないか?

自分を嫌っていると、こんな思いグセをもつようになり、あたかも相手に嫌われていると感じやすくなるのです。

なので、まずは自分自身に対して責めるのではなく優しく接するようにしましょう。

批判的な思考を止めることが大切です。

自分自身に対してマイナスな評価をしてしまうことがある人は、それを自覚して、ポジティブな評価に切り替える練習をすることが必要です。

例えば、自分にできないことがあった場合でも、「今日は失敗したけど、次にはうまくいくように頑張る」と自分自身を励ましてみましょう。

また自分で自分を認めていくことも大切です。

自分自身にとってプラスとなることをしたときに、自分を褒めたりする習慣をもってみましょう。

自分の長所や自分の大切にしている価値観を見つけることもいいですね。

自分の価値観や強みを再確認することで、自己肯定することができます。

自分が得意とすることや好きなこと、自分自身の良いところなどを振り返ってみてください。

もし見つからなかったら、周りの人に意見を聞いてみることも効果的です。

自分自身に優しく接することで、自己肯定感を高めていくと、自然と相手に対しての見え方も変わってきます。

批判的で敵に見えていた人が思ってたよりも、優しい人ではないのかとその人のいい部分を探そうとしたり、自分にたいしての批判が和らいできて、徐々に相手の目をみてコミュニケーションとることができるようになっていきます。

3.視線のこと以外に目を向ける

自分がどう見られているか、自分の視線が迷惑をかけていないかどうかばかりに目が向いているため、頭の中は視線のことでいっぱいになります。

本来人と目を合わせてコミュニケーションとるときは、目を見てはいますが、目を見ていると言うよりも、たいていイメージに意識が向いています。

例えば、楽しみながら自然と人とコミュニケーションをしている場面を想像してみてください。

おそらくその時は、頭のなかで相手の話をイメージしたりして、想像しながら話をしていませんか?

まるで自分が相手の体験をしているかのようにタイムスリップしたかのような感覚です。

自分が相手に説明するときも、過去の体験を思い出しながら話していますよね?

「この前食べた〇〇のご飯美味しかったよ」とか、「〜に行って楽しかった」とか、光景を思い出しながら話しています。

実際は目の前にいる相手を見ながら話しているけど、頭の中にイメージされた過去を見ていたりするわけです。

その状態であれば相手の目つきやリアクション表情の変化に気付かなくなって、目の前の相手を見ているようで見ていない状態になるわけです。

この感覚を掴むことができれば、視線のことを考えなくなり話に集中して、コミュニケーションを楽しむことができるようにもなります。

他にもコミュニケーションのスキルを高めていくことで、会話を楽しむことに意識が向くようになったり、スキルを高めたことが自信になって、人と積極的に関わってみようとするきっかけにもなります。その行動が改善に向かいますので、コミュニケーションスキルを高めることも目標にしてみても良いです。

おわりに

今回は視線恐怖症のなかでも、相手の目を見ることができない正視恐怖症についてお伝えしました。

人と面と向かった時に目を合わせることができない恐怖症で、その視線が威圧感があるのではいのか、相手は不快な思いをするのではないかと考えて不安になってしまう症状であると説明しました。

なかでも2種類あって

1つは目を見ることができないケースです。2つめは目を見られることが怖いと感じてしまうケースです。

プレゼンなど人前で話す場面、上司に報告する場面、営業で取引先の人と交渉する場面などで仕事場面で辛くなっていまう方が多いこと、

またプライベートでも、友達とコミュニケーションをとるとき、コンビニの店員さんや飲食店の店員さんと目を合わせるのが辛くなってしまうなど日常生活に支障をきたしてしまうって方が多いです。

この症状で悩む原因として、1つは学校や家庭内での過去のトラウマ体験や、目つきや容姿のことで悪く言われた体験を思い出してしまうこと。

2つ目は、社会的な要因で、目を見て話さないといけないという固定概念に囚われることや、SNSやネットでの外見に対して重要視されている風潮からより意識してしまいます。

さらに3つ目は自己肯定感が低いことから、自分で価値基準をさげてしまっていることから目をあわせにくくなっていることです。

改善策として今日は3つ紹介しました。

1つは捉え方を変えていくこと、2つ目は自分を肯定して相手を信頼していくこと、3つ目は視線のこと以外に目を向けていくことです。

できそうなことからぜひスモールステップではじめてみてください。

視線恐怖症は悩んでいる本人以外からはなかなか理解されづらく、人に相談しにくい恐怖症です。

今まで1人でつらい思いをしてきたかもしれません。

「このままずっと悩み続けて治らないんだ」と思っていたかもしれません。

しかし視線恐怖症は改善していくことができます。

まず身近な人でも、話せそうなひとから相談してみましょう。

話をするなかで、悩みを言語化できて客観視できるようになったり、相手からのフィードバックをもらって、自分がおかしくないことを冷静に判断できるかもしれません。

もしいなければ、僕のような理解してくれそうなカウンセラーに相談してみるのもありです。個別相談をご希望の方はこちらからお問い合わせください。

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