視線恐怖症・脇見恐怖症を改善する身体からのアプローチ【3選】|集中力を高める
今回も視線恐怖症や脇見恐怖症が改善する上で大事なことをお伝えさせていただきます。
ふだんカウンセラーとして毎日さまざまな人たちのご相談に乗っていて、また悩みを抱えている人たちのWaReKaRaゼミというコミュニティも運営することで多くの人たちと関わっています。
僕自身が元々脇見恐怖症で悩んでいたこともあり、おなじ視線に関する悩みを抱えている方のご相談に乗ることも多いです。
今回はそんな悩みを改善させることのできた人たちの色々な経験から、共通する点を見出すことができましたのでお伝えしていきます。
以前の記事で症状を改善していった人に共通する行動として
【意識のむけ先を変えていくこと】をお伝えしました。
この考え方も症状改善において大切ですので、まだご覧になっていない方はぜひチェックしてみてください。
とはいえ、いざ苦手な場面にでくわすと、身体が緊張してきて
- 症状にとらわれてしまう。
- 頭が真っ白になってしまう。
- パニックになってしまう。
- 身体が固まってしまう。
このように「身体がいうことを聞かないので意識の向け先を変えることなんて難しい…」と感じてしまうということありませんか?
実際僕も悩んでいた頃は、身体や肩が硬直して、冷や汗をかいたり、身体が熱くなってきて、考えることさえもしんどいと感じることがよくありました。
そこで、改善してきた方々の意見としてあったのが【身体から症状を改善していくためのアプローチ】です。
認知や解釈を変えていくのが難しい人は身体からのアプローチを是非試してみてください。
今回お伝えするように改善のためのアプローチは「これ一つをすれば確実によくなる」というものではなくその人の原因や症状、現状に合わせた方法を複合的にとっていく必要があります。
今回はそのいくつかあるアプローチのなかの一つについて紹介します。
〜目次〜
心と身体の関係
今回は身体からのアプローチについてお伝えしますが、そもそも心と身体は密接に関係していて、身体の変化がメンタルにも変化を引き起こすことがあります。
不安や恐怖を感じていると、自律神経の「交感神経」が優位になって、手の震えが起こったり、身体が熱く発汗したり、身体がぎゅっと硬直したり、呼吸が浅くなったり。どんどん身体に反応が現れるようになります。
脇見恐怖症の方は常に警戒する意識を強めていて、交感神経が優位になり、気づかないうちにかなり緊張が溜まってしまっています。
「あー、いま脇見をしてしまっているな…(汗)」のように感じる時、身体や目の感覚、心拍数の上昇などを意識し始めると「いま目の前の人も、私の視線が気になっているに違いない」とますます余計に不安になり、緊張などの身体の反応もますます強くなってしまいます。
すると、視界も狭まって、身体もカチカチに緊張して固まってしまいます。
そこで、身体を緩めるワークを通じて、リラックスしていくことが大事なんです。そして意識を自分の身体のことなどの内側に向けるのではなく、外側に向けていくことでゆるめていきます。
特に身体の反応として、脇見恐怖症の方は顔を上げることができないケースが多いので、無意識で猫背になったり首が曲がったり、姿勢が悪くなりがちです。
とても首が凝ってしまったり、背中や腰などあらゆるところに痛みが生じるようになります。視線を隠すために無理やり頬杖をついて変な姿勢になることもありますよね。
左右の視界を狭めるために不自然なほど、目の近くで本を読んだり、家族でテレビを見るときもテレビに近づきすぎたりしてしまうことで、目が疲れるだけでなく視力が悪くなってしまうという方も多いです。
実際、僕も悩んでいる当時は身体の節々が痛かったし、視力はみるみる落ちていきました。視力が悪くなるとさらに姿勢も悪くなることもあります。
身体に痛みがでたり、姿勢が悪くなると、身体に意識が持っていかれるのでもちろん集中力も落ちます。
集中力が落ちると、今までよりさらに勉強や仕事に集中できなくなって、ぼーっとしてきて、集中すべきこと以外のものにより意識が散らばってしまいます。
症状を、姿勢や無理な体勢で抑えようとすればするほど、集中力が落ちてしまって、身体にも歪みがでて、悪循環に陥ってしまっている方が多いんです。
そしてそういった痛みや疲労は、うつ病や他の不安障害を引き起こすこともあります。また、睡眠不足や睡眠障害にも繋がるケースも多いです。
こんなふうに心と身体は密接に関連しており、身体的な変化が心理的な変化を引き起こすことがあります。
なので、姿勢を整えたり、呼吸や瞑想法などを行って、身体に対して良いアプローチを行ったり、健康的な生活習慣を維持することで、心と身体のバランスを取り、脇見恐怖症などの心の問題を改善していくことにつながるのです。
当たり前だと思うかもしれませんが重要なことなのでぜひ以下の具体的な方法も目を通して実践してみてください。
身体からの具体的なアプローチ【3選】
具体的にどういった方法で身体からアプローチしていくのかということを3つお伝えしていきます。ぜひ実際に試してみて、自分に会う方法を探してみてください。
①姿勢を整える
まず取り組んでほしいことが姿勢を整えることです。
先程もお伝えしたとおり、姿勢が悪いと集中力が下がり、集中力が下がる姿勢にも悪影響が出るというふうな悪循環にはまってしまっています。
姿勢が悪くなると、呼吸が浅くなり、酸素の取り込みが悪くなります。
脳にも酸素が十分に供給されなくて、集中力や判断力が低下します。
筋肉が硬直している場合は、身体の緊張感が高まり、不安やストレスが増大することにもつながるのです。
なので、まずは意識的に姿勢を正す習慣を心がけてみてください。
デスクワークの時、学校で授業を受ける時、まちなかで歩く時など、ふと姿勢が悪くなってしまうような時も意識的に背筋を伸ばして見てください。
一度試してほしいのですが、胸を張って背筋を伸ばして視線を上に向けた状態だと、ネガティブなイメージってあまり浮かんでこないですよね?
いつもネガティブになってしまうのは、身体が曲がっていたり、下向きな状態の事が多いです。
また自分の見た目も堂々として見えるよウニって印象が大きく変わるというメリットもあり、姿勢をかえるだけでもたくさんの効果が現れます。
とはいえ、「視線で悩んでいるからこそ、なかなか顔をあげられない。背筋も伸ばせない」という方もいらっしゃると思います。
そんな方は休憩時間や1人でリラックスしているときに首をぐるっと回してみたり、腰や背中に手をあてて、ぐっと伸ばしてみたり、右左と背中を回すようにしてみてください。
漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)というリラクゼーション法もおすすめです。
この方法は身体の特定の筋肉に意識を向けながら、意図的に強く緊張をさせ、その後一気に力を抜いて脱力していきます。
例えば10秒間肩に力を入れ緊張させる(肩を耳の近くまで持ち上げる、など)。
そのあと15~20秒間脱力する。
この緊張と脱力を身体の各部位で行っていきます。
からだの緊張している部位に力をいれて緩めていくことで、筋肉が緩む感覚を味わえて、身体の緊張状態とリラックス状態の違いを身体でわかってきます。
意識的に姿勢を変えていく取り組みを行ってみてください。集中力が大きく変わっていきます。
②運動を習慣にする
運動は、ドーパミンやセロトニンといわれる脳の神経伝達物質の分泌を促進します。
これらが促進されるとストレスや不安を軽減するという効果があります。
まずセロトニンは覚醒・気分・意欲と関連した脳内物質です。うつ病や不安症などの精神疾患に対する治療薬にも用いられています。脳内の神経回路を調整することで、情動の安定化やストレスへの対処能力がつきます。
ドーパミンは、脳内の報酬系を活性化することで、快楽や喜びを感じさせる作用を持っています。また、注意力や認知機能の向上にも関与しています。ドーパミンの分泌が不十分な状態では、注意力や意欲、活力などの精神的な機能が低下することが知られています。
実際脇見恐怖症で悩んでしまう方は、意欲や活力が低下している状態になっていたり、注意の向け先がコントロールできないような集中力が散漫になっている状態なので、運動によって集中力を高めることや意欲・自己コントロール力を高めることが症状の改善につながるのです。
また、運動をすることで、脳の前頭前野と呼ばれる部位が活性化されます。
前頭前野は、人間の注意力や自制心、判断力、社会的行動などに関与している脳機能です。
運動によって前頭前野が活性化されることで、注意をコントロールする力を強くして、脇見を改善しやすい脳にしていくことができます。
さらに、運動によって脳の海馬という部位も活性化されます。
海馬は、情報の整理や記憶の形成・保存・呼び出しに関わる部位であり、運動によって海馬が活性化されることで、認知機能の向上や学習効果が期待されます。頭も良くなれば自信もついて自己肯定感の面からも自分の解釈を変えていけるような可能性があるので一石二鳥ですよね。
また、運動をすることで、レジリエンスと言われる困難に打ち勝つ力が高まることもあります。
体力的な持久力だけではなく精神的な持久力も同時に鍛えられるのです。
脇見などで何か困難な状況に陥っても、ストレスやモチベーションの低下に負けずにやり切る力が身についていくのです。
実際ザッキーも運動をしてきたことは脇見などの悩みを改善することに役立ったと思っています。
数値ではわからない感覚的な話なので、直接的な改善に繋がったと断言はできませんが、学生時代にサッカーをしていた経験は自分にとって自信にも繋がりましたし、サッカーをしているときは脇見のことが全く気にならない状態で、夢中になれている感覚もありました。
その経験から「脇見が気にならない場面が日常の中にもある」と感じることができて、自信にも繋がりました。
スポーツをしているときは、意識が「今この瞬間に集中する」場面が多いのでオススメです。
スポーツ以外にも運動は、ジョギングやウォーキング、ヨガ、ストレッチ、筋トレなど自分に合ったものから無理なく習慣にできそうな運動を選んでみてください。
たくさん難しい表現や初めて聞く単語もあったかもしれませんが、運動は脇見を改善する目的だけでなく、脳機能などを向上させて仕事やプライベートを円滑にしていくことや人生単位でより良くしていくことにも必要な要素がたくさんあります。
すぐ効果として現れるものではないので、継続することがとても大事です。
③マインドフルネス瞑想を取り入れる
あなたは”マインドフルネス”って聞いたことありますか?
他の記事もご覧いただいていたらご存知かもしれませんが、知らない方のために説明すると、マインドフルネスには「価値判断をすることなく、今この瞬間に注意を向けること」という意味があります。
僕たちは起こった出来事や自分の頭の中の思考に対して、無意識のうちに自動的に価値判断を下して反応しているため、脳は常に非常に膨大なエネルギーを消費しています。
特に脇見恐怖症の人は本来その場で集中したいこと、たとえば仕事や勉強、人との会話などに対して意識を集中できずに、となりの人の咳払いや、貧乏ゆすり、こちらを見るような動き、相手の怪訝そうな表情などに対して「自分のせいではないのか…」「自分が脇見したからだ…」などのジャッジをしてしまって、自分で自分を苦しめて、脳に余計な考えを常に張り巡らせて、毎日精神的に消耗してしまうという感覚がある人は多いと思います。
また他人と一緒にいる時だけでなく、家で1人でいるようなときも、「今この瞬間」ではなく「過去に迷惑をかけてしまった後悔」や「明日も迷惑をかけるかもしれない未来の不安」に意識が行き来しています。
こんなふうに常に「脇見したかどうか」「周りの人が自分をどう思ったか」ということなど脇見恐怖症のことばかり考えていると、どんどん気になってしまうというのは当たり前ですよね。
マインドフルネスはそういった「過去や未来、他人の評価」に向けられてしまう思考を、ジャッジをすることなく、今この瞬間にただありのまま観察する練習なんです。
マインドフルネスにより注意や集中力を高めることもできます。
マインドフルネスはそういった今この瞬間に思考を向けるという概念なんですが、手段として一番おすすめするのが瞑想なんです(厳密にいうと先程のスポーツなども「目の前のスポーツに意識を集中できるので”マインドフルネスな体験の一種”でもあります)。
瞑想は今に注意を向け続ける練習には最適で、呼吸や音、モノ、身体の感覚などに注意を向けることで、自分の状態にも気付いていけるようになります。
いくつか効果的なやり方はあるのですが、代表的なものとして「呼吸瞑想」を紹介しますので覚えておいてください。
手順としては、まず、椅子や地べた、クッションでもいいので座り、背筋を伸ばします。足を床にしっかりとつけ、手を膝に置きます。(ポイントは姿勢をしっかり正すことです。いつもの脇見で悩んでしまうような猫背の感じではなく、肩肘はらずリラックスした状態で姿勢を正してみてください)
次に目を閉じて、自然な状態で呼吸をします。初めのうちは、”腹式呼吸”であるとか”胸式呼吸”であるとかは気にしなくてもいいです。緊張していても、そのまま自然な呼吸に戻し、深い呼吸をしましょう。
できれば鼻から息を吸い込み、お腹を膨らませます。そして、ゆっくりと息を吐き出して、お腹を引き締めます。
この呼吸を続けながら、呼吸に意識を集中し続けます。息が入ってくるときには、『吸う』ことを意識し、息が出ていくときには、『吐く』ことを意識します。
このように呼吸をしているとき、おそらく、「脇見しているなと感じる時」と同じように何かしら様々な思考が浮かぶと思います。
「お腹すいたなあ」とか「体がかゆいな」とかそういった思考が浮かんでも、それを深く考えたり浮かんだことを責めたりするのではなく、ただ「あ、浮かんだな」というような感覚で、また呼吸に意識を戻してください。
意識を呼吸に戻す練習が、脇見恐怖症を改善することに役立ちます。
”今この瞬間に意識を向ける感覚”が鍛えられて、集中力を高めたり、思考をジャッジするのではく、ただ気付いてそのままにしておけるというようになれるんです。
呼吸瞑想が良い理由として、呼吸を整えることでリラックス点もあります。
心と身体の関係についてお伝えしてきたように緊張、不快感を感じるときは、浅い呼吸になりやすく、自律神経のなかでも交感神経が優位な状態になっています。
このときに意識的に深く呼吸をすると副交感神経が優位になっていきリラックス状態に切り替えていけます。自律神経のバランスを取り心拍数が下がって、心身の状態を良くすることができます。
自律神経は無意識で動いているのでなかなかコントロールはできないのですが、唯一「呼吸」を整えることが自律神経のバランスを整えることにつながる方法です。
呼吸に集中したり、呼吸を整えたりすることは「脇見が気になった時」その場でもできることです。
日常的に簡単に行えるので、ぜひ実践してみてください。
最初は5分からでもいいので、毎日やってみましょう。
実際僕がカウンセリングをした方も、瞑想を実践することで、「気持ちが楽になった」という人や「以前よりも脇見が気になったときに、”脇見してはいけない”と自分を責めたりジャッジしなくなった」、「ただ受け流す感覚が身に付いた」など効果を実感している人も多いです。
身体からのアプローチを実践する上での“注意点”
今回は3つの方法を紹介してきましたが、実践する上で1つ注意点があります。
それは姿勢を整えることも、運動することも、マインドフルネス瞑想をすることも、なかなか習慣にしにくいということです。
僕が運動を習慣にできたのは、サッカー部という部活に所属していて、試合に勝つという目標があったからこそ「しんどくてもやろう」という気持ちになれて、毎日習慣として運動をすることが当たり前になっていました。
瞑想に関しては、僕もなかなか習慣にしにくかったので、当時は毎朝5時に早起きして、瞑想を実践するコミュニティに参加していました。
そのコミュニティでは毎朝参加できなかったらペナルティとして罰金という制度があったので、大変でしたが、早く寝て睡眠時間を確保しようと心がけたり、毎日参加することで瞑想を習慣にできたので、いまでは罰金制度も良かったなと思っています。
今までとはちがう考え方や行動をしていくことは、かなり難しいことといえます。今まで長年悩まれている方、特に脇見恐怖症で長年悩んで来ている方達は痛いほどわかっていると思います。
なので身体からのアプローチは、環境をうまく使ったり、誰かを巻き込んで一緒にやっていくのが大事です。
1人で実践して、できなくて自分を責めてしまうということにはならないように気をつけましょう。
おわりに
今日は脇見恐怖症や視線恐怖症を改善してくための身体のアプローチを紹介しました。
これまで
「思考や解釈を変えることが難しかった…」「頭ではわかっているんだけど…」という風に悩んできた方はぜひ姿勢や呼吸を変えて、運動を習慣にして、悩みにくい身体づくりから始めてみましょう。
運動や瞑想は即効性のあるものではないので、続けていく習慣を大事にしてくださいね。続けた先に変わっていける未来があります。
1人では習慣化が難しそうだという方は、個別のカウンセリングで習慣化のコツをお伝えしていたり、WaReKaRaゼミというコミュニティでも習慣化できるように色々と実践をしています。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
対人恐怖症、脇見恐怖症改善のための3日間動画講座プレゼント
今回、少しでも過去の僕と同じように悩んでいる方たちのチカラになりたいと思い、恐怖症改善のための3日間動画講座を作りました。
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改善のために必要な要素や改善のためのプロセス、また改善の方法を日常にどのように落とし込んだら良いかなどもお伝えしています。
僕自身が脇見恐怖症で悩んでいた頃の経験談や、そこからの今の考えなどもお伝えしていますので、動画講座をご視聴いただく方たちにも自分ごとに受け取っていただけると思います。
将来的には配信をストップするか有料に切り替える可能性も高いので、この機会にぜひお受け取りください^^
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