【あがり症】悩みから抜け出せない5つの理由と今日からできる対策

【あがり症】悩みから抜け出せない5つの理由と今日からできる対策

動画でご覧になりたい方はこちら。約16分半の動画です。

この記事でわかること

  • 悩みから抜け出せない人の思考・行動のクセとは?
  • 過去の経験が今のあなたを縛る「学習性無力感」の正体
  • 現状維持を望む心のブレーキ「ホメオスタシス」を乗り越える方法

ザッキー

こんにちは、WaReKaRaゼミ代表「対人不安解消の専門家」ザッキーです

「あがり症をなんとかしたいけど、なかなか現状から変われない…」
「いつも同じような場面でつまづいて、同じ失敗を繰り返してしまう…」
「YouTubeや本で勉強しているのに、一向に悩みが解決しない…」

こんな風に、変わりたいのにもがいている、という方も多いのではないでしょうか。

何を隠そう、僕自身も20代前半の頃、視線恐怖症や対人恐怖の悩みを抱え、勉強はしているのになぜか変われない、というジレンマに苦しんだ経験があります。

この記事では、僕自身の経験や、普段カウンセリングを通して多くの方のお悩みをお聞きする中で分析した、「悩みから抜け出せない5つの理由」について、具体的にお話ししていきます。

もしあなたが今、暗いトンネルの中で出口が見えずにいるのなら、この記事がきっと一つの光になるはずです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

【理由1】あがり症を克服する知識だけで満足し、行動できていない

【理由1】あがり症を克服する知識だけで満足し、行動できていない

あがり症の悩みから抜け出せない一つ目の理由は、「知識を得ただけで満足してしまっている」ということです。

YouTubeを見たり、心理学やコミュニケーションに関する本を読んだりして、「なるほど、わかった!」「これは知っているぞ」と、そこで終わってしまっていませんか?

「知っている」と「やっている」には大きな溝がある

実は、「知っている」ことと「実際にやっている」ことの間には、とても大きな溝があります。

例えば、「運動が健康に良い」ということは、誰もが知っている知識ですよね。でも、それを知っている人全員が、毎日運動を習慣にできているわけではありません。
食事に関してもそうですよね。「糖質を摂りすぎると太りやすい」「カロリーを抑えることが大切」というのは多くの人が理解していますが、それでもつい甘いものや高カロリーな食事を選んでしまうことはありますよね。

知識を行動に移すのは、案外難しいことなんです。

これは、あがり症の悩みにも当てはまります。

「人前で話すときは、深呼吸をすると良い」「相手に意識を向けよう」といった知識を調べたとします。でも、いざその場面になると、頭が真っ白になって何もできなくなってしまった…なんて経験、ありませんか?

これは、知識を得たことで安心してしまい、実際に「練習」する時間を取らなかったことが原因の一つです。つまり、実践が伴っていないのです。

あがり症の悩みから抜け出す第一歩はスモールステップから

どんな悩みでも、知っているだけで終わらせず、「実際にやってみる」ことが何よりも大切です。

もちろん、いきなり大きな挑戦をする必要はありません。大切なのは、ほんの小さな一歩、スモールステップで始めることです。

  • 緊張した時だけでなく、普段から呼吸を整える練習をしてみる
  • お風呂に入っている時に、今日の出来事を3分間声に出して話してみる
  • スマートフォンの動画で、話している自分を撮ってみる

頭でわかっていることを行動に移すのは、大変なことだと思います。だからこそ、まずは本当に小さなことでいいんです。

知っているだけの状態から抜け出し、アウトプット(行動)することから始めてみましょう。その小さな一歩が、本当の変化につながっていきます。

【理由2】「自分はあがり症だから」というマイナスな自己理解をしている

【理由2】「自分はあがり症だから」というマイナスな自己理解をしている

二つ目の理由は、自分自身にマイナスなレッテルを貼ってしまっていることです。

  • 「自分はコミュ障だから、人と話すのが苦手なんだ」
  • 「自分はあがり症だから、人前に立つなんて無理だ」
  • 「自分は他人に迷惑をかける存在なんだ」

こんな風に、自分で自分のことを決めつけていませんか?

こういったレッテル貼りは、自分自身の可能性を狭めてしまうだけでなく、自己否定のループに陥る原因にもなります。自分を責めるのではなく、まずは「自分はそう感じているんだな」と受け入れ、多角的に自分を見ていくことが大切です。

サーカスの象に学ぶ「学習性無力感」とは?

サーカスの象に学ぶ「学習性無力感」とは?

ここで一つ、「サーカスの象」の話を紹介させてください。

サーカスの大きな象は、とても細いロープと小さな杭だけで繋がれていても、逃げ出そうとしません。あんなに力があるのに、不思議だと思いませんか?

実は、象は子どもの頃に何度も逃げようと試みます。しかし、体の小さな子象の力では、杭を引き抜くことができません。それを繰り返すうちに、「どう頑張っても自分には無理なんだ」と諦めてしまうのです。

そして、成長して杭を簡単に引き抜けるほどの力がついても、子どもの頃の無力だった経験が刷り込まれているため、逃げることを試そうとさえしなくなってしまうのです。

これを心理学では「学習性無力感」と呼びます。

あがり症という思い込みの鎖を断ち切るためのヒント

この話は、僕たちの思考にも深く関わっています。「自分はあがり症だ」というレッテルも、過去の失敗体験から生まれた思い込みに過ぎないかもしれません。

僕自身、学生時代に人前で話して声が震え、笑われた経験から「自分はダメなんだ」と強烈なレッテルを貼ってしまいました。それ以来、話す機会を徹底的に避け、自分の可能性に蓋をしてきたんです。

しかし、社会人になって勇気を出し、話し方の教室に通ったり、同じ悩みを持つ仲間と話したりするうちに、意外なことに気づきました。

「昔ほどひどくはない。案外、大丈夫かもしれない」

もちろん失敗もありましたが、やってみることで「自分も成長しているんだ」と感じられ、徐々に話すことが苦ではなくなっていったんです。

過去の失敗が、今のあなたを決めているわけではありません。あなたが自分に張っているそのレッテルは、本当に今も事実でしょうか?一度その思い込みの鎖を疑ってみることで、新たな可能性が広がっていくはずです。

【理由3】自分の気持ちより他人を優先する自己犠牲的な考え方

【理由3】自分の気持ちより他人を優先する自己犠牲的な考え方

三つ目の理由は、他人を優先しすぎる「自己犠牲的」な考え方です。

自分の「こうしたい」「こう伝えたい」という気持ちよりも先に、「他人に迷惑をかけたくない」「嫌な思いをさせたくない」という気持ちが、あなたを支配していませんか?

他人を思いやる心はとても大切ですが、自分を犠牲にしてまで他人を優先してしまうと、かえって心は苦しくなってしまいます。まず自分自身を大切にし、自分の心の声に耳を傾けることが、結果的に良いパフォーマンスや対人関係に繋がるのです。

あがり症の人が陥る「完璧な自分」でいなければという自己犠牲

あがり症で悩む方は、特にこの傾向が強いかもしれません。

例えば、プレゼンやスピーチの場面を想像してみてください。

  • 「声が震えたら、聞いている人を不快にさせてしまう…」
  • 「噛んだり、言葉に詰まったりしたら、みんなの時間を無駄にしてしまう…」
  • 「緊張している姿を見せたら、頼りないと思われてしまう…」

このように、「完璧なパフォーマンスをしなければ、周りに迷惑がかかる」という考えに縛られていませんか?

これは、「ありのままの自分」を犠牲にして、「完璧でなければならない」という高いハードルを自分に課している状態です。この過剰なプレッシャーが、さらなる緊張を生み、あがり症の症状を悪化させる悪循環に繋がってしまうのです。

「自分はどうしたいか」を主軸にあがり症の悩みを軽くする

この苦しい悪循環から抜け出すためには、考え方の軸を「他人」から「自分」へと少しずらしてみることが大切です。

「他人にどう思われるか」ではなく、「自分は今日、何を伝えたいのか」に意識を集中させるのです。

完璧なスピーチを目指す必要はありません。「今日伝えたいことの、これだけは絶対に伝えよう」という最低限の目標を設定するだけで、心はぐっと軽くなります。

また、「相手が退屈そうにしているのは、自分の話がつまらないからだ」とすぐに結論づけるのではなく、「もしかしたら、ただ疲れているだけかもしれないな」というように、自分に都合の良い解釈をしてみるのも一つの手です。
このように物事を別の面から捉えることを「リフレーミング」と言います。

他人がどう思うかをコントロールすることはできません。まずは、自分がどうしたいか、何を達成したいかという「自分軸」を大切にすることで、過剰なプレッシャーから解放され、結果的に症状も和らいでいきます。まずは自分から、大切にしてあげてくださいね。

【理由4】あがり症の悩みを一人で抱え込み、他人を頼ろうとしない

【理由4】あがり症の悩みを一人で抱え込み、他人を頼ろうとしない

四つ目の理由は、悩みを一人で抱え込み、他人を頼ろうとしないことです。

  • 「こんな悩みを話したら、馬鹿にされるんじゃないか…」
  • 「変に思われたくない…」
  • 「人に迷惑をかけてしまう…」

そう考えて、誰にも相談できずにいませんか?

気持ちはとてもよくわかります。僕自身も10代の頃は、家族や友人にさえ悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んでいました。

自分のことは自分では客観的に見られない

しかし、一人で悩みを抱え込むと、どんどんマイナスな解釈が膨らんでいき、考え方のクセが強化されてしまいます。自分では気づかないうちに、どんどん視野が狭くなってしまうのです。

コミュニケーションのクセなんて、特にそうですよね。無意識でやっていることが多いので、他人からフィードバックをもらって初めて「自分は会話のとき真顔になっていて、笑顔が少なかったんだ!」「言われるまで気づかなかったけど、相づちが足りなかったんだ!」と気づけることがたくさんあります。

勇気を出して話すことが、悩みから抜け出すきっかけになる

僕が変わるきっかけになったのも、20代になってから勇気を出してカウンセラーに相談したり、同じ悩みを持つ仲間と話したりしたことでした。

他人の視点を通すことで、「あ、これって自分の思い込みだったんだ」「他人は自分が思っているほど、自分のことを変に思っていないんだ」という新しい発見がたくさんあったのです。

信頼できる友人や家族、あるいは専門家など、誰でも構いません。勇気を出して他人を頼ることが、客観的な自分を知り、悩みから抜け出すための大きな一歩になります。


【理由5】無意識に「変わりたくない」と感じている【コンフォートゾーン】

【理由5】無意識に「変わりたくない」と感じている【コンフォートゾーン】

「あなたは、実は『変わりたくない』と思っているかもしれません」なんて言われたら、
「そんなはずない!本気で変わりたいと思っている!」
そう反論したくなるかもしれませんね。しかし、最後の理由は、意外にも「無意識では、変わりたくないと思っている」ということです。

人は意識の上では「変わりたい」と願いながらも、無意識の領域では「変化は怖い」「今のままの方が安全だ」と感じ、現状を維持しようとする性質があるのです。

「コンフォートゾーン」という名のぬるま湯

この、現状を維持しようとする心の働きは「コンフォートゾーン」という言葉で説明できます。

コンフォートゾーンとは、一言でいえば「居心地の良い、安心・安全な領域」のこと。ストレスや不安を感じることなく、慣れ親しんだ自分でいられる心理的なテリトリーです。

あがり症で悩む方にとってのコンフォートゾーンは、例えば「人前で話す機会を避ける」「会議ではなるべく発言しない」といった行動かもしれません。その場所にいれば、少なくとも緊張して恥ずかしい思いをすることはない、というわけです。

しかし、成長するためには、このコンフォートゾーンから一歩踏み出す必要があります。ですが、未知の領域に足を踏み入れるのは、誰だって怖いですよね。「失敗したらどうしよう」「恥をかきたくない」という不安が、無意識のうちにあなたをゾーンの内側へと引き戻してしまうのです。

ダイエットを決意しても三日坊主で終わってしまうのも、「食べたいものを我慢しない」「運動しない」という楽なコンフォートゾーンに、つい戻ってしまうからなのです。

あがり症を克服するためにコンフォートゾーンを少しずつ広げる方法

あがり症を克服するためにコンフォートゾーンを少しずつ広げる方法

では、どうすればこの無意識のブレーキを乗り越えられるのでしょうか?ポイントは、いきなり遠くへ行こうとせず、「コンフォートゾーンをほんの少しだけ広げる」ことを意識することです。

急激な大きな変化は、心に強い抵抗感を生みます。しかし、

  • まずは信頼できる人にだけ、少し悩みを話してみる
  • 毎日5分だけ、スピーチの練習をする

といった、脳が「これくらいなら大丈夫かな?」と思えるくらいの小さな挑戦なら、不安や恐怖も最小限に抑えられます。

この「ちょっとした挑戦」で成功体験を積み重ねていくと、「あ、ここまでなら自分は大丈夫なんだ」という自信がつき、あなたの安心領域(コンフォートゾーン)が自然と広がっていきます。

焦らず、一歩ずつ。自分のコンフォートゾーンをじわじわと広げていくイメージで、小さな挑戦を続けてみてください。

【実践者の声】あがり症の悩みから抜け出したリアルな声

この記事でお伝えしてきた「小さな一歩」を踏み出すことで、未来はどう変わるのでしょうか。その一つの実例として、WaReKaRaゼミに参加したYさんのインタビュー動画をご紹介します。

かつて深刻なあがり症対人恐怖に悩み、ほとんど外出できない引きこもり状態だった彼女。そんなYさんが、どのようにして「もっと人と繋がりたい」と心から思えるまでに変化したのか。

そのリアルな軌跡と、悩みから抜け出すためのヒントが、この動画には詰まっています。ぜひご覧ください。

あがり症の悩みから抜け出すために、今日からできること

今回は、あがり症などの悩みからなかなか抜け出せない5つの理由についてお話ししました。

  1. 知識だけで満足し、行動できていない
  2. 「自分はあがり症だから」というマイナスな自己理解をしている
  3. 他人を優先する自己犠牲的な考え方
  4. 悩みを一人で抱え込み、他人を頼ろうとしない
  5. 無意識に「変わりたくない」と感じている(コンフォートゾーン)

これらの理由に気づけただけでも、大きな一歩です。そして、そのどれもに共通する解決の糸口は、「小さな行動を試してみること」にあります。

まさにこの記事を読んで「わかった」で終わらせず、ぜひ今日、何か一つでも行動に移してみてください。それは、呼吸を意識することでも、誰かに挨拶をしてみることでも、本当に些細なことで構いません。

その小さな一歩が、必ずあなたの未来を変える力になります。一緒に、少しずつ進んでいきましょう。

そして、もしあなたが「一人ではどうしたらいいかわからない」「もっと具体的な改善方法を知りたい」と感じているなら、僕が作成した「3日間動画講座」がきっとお役に立てるはずです。

この講座では、対人恐怖症や脇見恐怖症を改善するために必要な要素や具体的なプロセスについて、僕自身が脇見恐怖症で悩んでいた頃の経験談や、多くのクライアントさんと接する中での学びも交えながら、わかりやすくお伝えしています。

過去の僕と同じように悩んでいるあなたの力になりたい、という想いで作りました。将来的には配信を停止したり、有料に切り替えたりする可能性も高いので、ぜひこの機会に下のバナーから無料で受け取ってください。

あなたの悩みを解決するヒントが、きっと見つかるはずです。