【視線恐怖症】罪悪感を軽くする!4つの簡単治し方|特徴も解説

【視線恐怖症】罪悪感を軽くする!4つの簡単治し方|特徴も解説

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この記事でわかること

  • 視線恐怖症の人が抱える「罪悪感」の正体とその具体的な原因を解説。
  • 自分を責めてしまう思考パターン(認知の歪み)と、その見直し方を詳しく紹介。
  • 視線恐怖症による罪悪感を和らげるための具体的な4つのアプローチを提案。
ザッキー

こんにちは、WaReKaRaゼミ代表「対人不安解消の専門家」ザッキーです

今日は、視線恐怖症の方が抱えやすい「罪悪感」をどうすれば少しでも和らげることができるのか、その具体的な方法についてお話ししていきます。

視線恐怖症で悩んでいると、「自分の視線のせいで相手に迷惑をかけているんじゃないか…」「自分がいることで不快な思いをさせているんじゃないか…」と、まるで自分が悪いことをしているかのような罪悪感に苦しめられることがありますよね。

例えば、

  • 「人と目を合わせるのが怖い」という正視恐怖症の方
  • 「周りからどう見られているか不安」という他者視線恐怖症の方
  • 「自分の視線が横の人に入ってしまうのが怖い」という脇見恐怖症の方

など、視線に関する悩みは様々ですが、共通して「自分のせいで…」という罪悪感を抱えている方が本当に多いんです。

今回の記事では、そんな辛い罪悪感を少しでも軽くするためのヒントをお伝えできればと思っています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

視線恐怖症の人が抱える「罪悪感」とは?

視線恐怖症の人が抱える「罪悪感」とは?

まず、視線恐怖症の方が感じる罪悪感って、具体的にどんなものなのでしょうか?

一言でいうと、「自分の視線が、相手に何かしらの迷惑をかけてしまうのではないか」という思い込みからくる罪悪感です。

例えば、こんな感じです。

  • 目を合わせると、相手に威圧感を与えて不快にさせてしまうんじゃないか…申し訳ない。
  • 自分の視線で、相手を怖がらせてしまうんじゃないか…。
  • (脇見恐怖症の場合)自分の視線が視界に入ることで、相手の集中力を削いでしまうんじゃないか…イライラさせてしまうんじゃないか…何見てんだって思われるんじゃないか…。

僕自身も脇見恐怖症で長年悩んできた経験があるので、この気持ちは痛いほどよく分かります。
学校の授業中、「隣の席の子が勉強に集中できなかったらどうしよう…」とか、
職場でデスクワークをしている時、「前の席の人や隣の席の人がパソコン作業に集中できなかったら申し訳ないな」…とか。
先生に対してですら、「自分の視線のせいで授業に集中できなかったらどうしよう…」なんてことまで考えて、本当に深い罪悪感を感じていました。

このように、「自分がいることで相手に迷惑をかけてしまう」という思いが、視線恐怖症の罪悪感の正体なんです。

視線恐怖症の罪悪感、その原因は?

では、なぜこんなにも強い罪悪感を感じてしまうのでしょうか?主な原因を2つ紹介します。

原因1:自分ルール(~しなければいけない、~してはいけない)

原因1:自分ルール(~しなければいけない、~してはいけない)

1つ目の原因は、「自分ルール」の存在です。これは、過去の体験から無意識のうちに作り上げられた「~しなければいけない」「~してはいけない」という固いルールのこと。

例えば、

  • 親から「人に迷惑をかけてはいけない」と厳しく育てられた。
  • 学校の先生に同じようなことを言われた。

といった経験から、「~してはいけない」というルールが心の中に強く根付いてしまうことがあります。

僕自身の場合は、特に女性に対して視線の苦手意識がありました。休み時間に隣の席の女の子たちがコソコソ話しているのを見て、「自分の視線のせいなんじゃないか…」と、相手の否定的な態度や行動と自分の視線を勝手に結びつけてしまった経験があります。

他にも、「ジロジロ見てくるなよ」と直接言われた経験がある方や、「〇〇さんの視線って怖いよね」「目つきが鋭いね」などと指摘された経験から、「自分の目は怖いんだ」「人を見ちゃいけないんだ」と思い込んでしまうケースも少なくありません。

こういった過去の体験が積み重なり、「人に迷惑をかけてはいけない」というルールがどんどん強化され、結果として強い罪悪感に繋がってしまうのです。特に、思春期である中学生や高校生の頃に、こうした悩みを抱え始める方が多い印象です。 罪悪感のメカニズムや具体的な消し方について詳しくはこちらをご覧ください。罪悪感に苛まれてませんか?原因と罪悪感の消し方

原因2:自分を責める思考パターン(認知の歪み)

原因2:自分を責める思考パターン(認知の歪み)

2つ目の原因は、「自分を責める思考パターン」です。これも過去の体験から形成されるものですが、何度も繰り返すうちにクセのようになってしまいます。ここでは代表的な4つの思考パターンを紹介します。

1.白黒思考(0か100か思考)

物事を極端に捉えてしまう考え方です。「目を合わせるなら、ずっと見続けなければいけない」あるいは「全く目を合わせちゃいけない」というように、0か100かで考えてしまうんですね。でも、実際のコミュニケーションでは、視線を合わせたり外したり、少し下を向いたりと、バランスが大切ですよね。「全く視界に入れちゃいけない」なんて思ってしまうと、学校の授業も受けられなくなってしまいます。こうした完璧主義的な思考が、自分を苦しめてしまうことがあります。

2.~すべき思考

「目を合わせるべきだ」「目を合わせてはいけない」「授業中は目の前のことに集中すべきだ」といったように、「~すべき」という考えに縛られてしまうことです。そして、それができない自分を「ダメだ」と責めてしまう。でも、誰だって集中できない時もあるし、気になる人がいればそちらに意識が向くこともありますよね。あまりに「~すべき」という思考が強いと、生きづらさを感じやすくなります。

3.自己関連付け

周りで起こる出来事を、何でもかんでも自分と関連付けてしまう考え方です。「隣の人が咳払いをしたのは、自分の視線のせいだ」「あの人がイライラしているのは、自分がここにいるからだ」「目が合った相手が視線をそらしたのは、自分の視線に威圧感を感じたからだ」というように、全てのネガティブな出来事を自分のせいだと解釈してしまうのです。

4.行き過ぎた一般化

たった一度や二度のネガティブな経験を、全てに当てはめてしまう考え方です。例えば、過去に一度だけ「目つきが悪い」と言われた経験があったとして、それを「みんながそう思っているに違いない」「自分は誰からもそう見られているんだ」と、全ての人や全ての状況に一般化してしまうのです。

どうでしょうか?これらの思考パターンの中に、あなたに当てはまるものはありましたか?

これらは「認知の歪み」とも呼ばれる思考のクセのようなもので、誰にでもある程度は持っているものです。大切なのは、まず「自分にはこういう思考のパターンがあるんだな」と気づくこと。いきなり治そうとしなくても大丈夫です。まずは自分のパターンを理解することから始めましょう。

視線恐怖症罪悪感を解消する!具体的な4つの治し方

ここからは、視線恐怖症からくる罪悪感を少しでも軽くするための具体的な4つのアプローチ(治し方)をお伝えします。他にも方法はありますが、今日は特に取り組みやすいものを厳選しました。

アプローチ1:認知の歪みを見直す

アプローチ1:認知の歪みを見直す

先ほどお話しした「白黒思考」や「自己関連付け」といった思考パターン、つまり認知の歪みに気づいたら、それに対して「本当にそうなの?」と反論するような形で、考え方を修正していくアプローチです。

例えば、「隣の人が咳払いをしたのは、自分の視線のせいだ」と思ってしまったとします(自己関連付け)。

このような自分の中の声に対して、こう反論してみましょう。

  • 「本当に自分のせいなの?」
  • 「風邪をひいているだけかもしれないよね?」
  • 「元々そういう咳払いの癖がある人なのかもしれない」
  • 「それはその人自身の感情や気分の問題であって、自分とは関係ないかも」

コツは、もし親友から「隣の人が咳払いしてきて、私のせいかなって思っちゃうんだよね…」と相談されたら、あなたは何と声をかけるか?を想像してみることです。

きっと、「あなたのせいじゃないよ、風邪ひいてるんじゃない?」などの言葉を伝えますよね。その視点を自分にも向けてみるんです。

正視恐怖症の方で、「目を合わせた相手がびっくりした顔をしたのは、自分の視線のせいだ」と感じてしまう場合も同じです。

  • 「本当に自分の視線のせい?」
  • 「話の内容にびっくりしただけかも?」
  • 「びっくりしたように見えたけど、実は真剣に話を聞いてくれていただけかも?」
  • 「自分も真剣に話を聞くとき、無意識に目を見開いちゃうことってないかな?」

このように、別の可能性を探ってみることが大切です。また、「そもそも話している時って、そんなに相手の視線ばかり気にするものなのかな?」と考えてみるのも良いでしょう。
友達に「話を聞くとき、どこに一番集中してる?」と聞いてみると、意外な発見があるかもしれません。

アプローチ2:思い込みの「自分ルール」を見直す

アプローチ2:思い込みの「自分ルール」を見直す

「~しなければいけない」「~してはいけない」といった自分ルールが、あまりにも厳しすぎないかを見直してみましょう。

例えば、「目を合わせなければいけない」というルール。これって本当にそうでしょうか?コミュニケーションには、表情、声のトーン、話の内容、身振り手振り、相槌など、視線以外にもたくさんの要素があります。「絶対に目を合わせないといけない」というルールは、もしかしたら存在しないのかもしれません。「嫌なら無理に合わせなくてもいいや」くらいに考えてみるのも一つの手です。

逆に「目をそらしてはいけない」というルールを持っている人もいるかもしれません。でも、何かを考えている時や、ふとした瞬間に視線をそらすのはごく自然なことです。

脇見恐怖症の方で「視界に人が入ってはいけない」というルールも、よく考えてみてください。このルールを守ろうとすると、授業も受けられないし、街を歩くこともできませんよね。そもそも「脇見をしてはいけない」という考え方自体が、本当に正しいのでしょうか?

僕自身、今は脇見恐怖症で悩んでいませんが、脇見自体は普通にします。
カフェで作業していれば前に人は見えますし、隣に人が座れば視界に入ってきます。これは当たり前のこと。視線をコントロールしようとすればするほど、症状は悪化しやすいものです。
「自分の視線が周囲の人に迷惑をかける」という思い込みが脇見恐怖症の辛さの原因の一つです。

「迷惑をかけてはいけない」という思考が強い方も多いと思いますが、人は誰でも多かれ少なかれ、誰かに迷惑をかけてしまうものです。仕事で困れば上司に頼りますし、家族にもたくさん迷惑をかけてきたはずです。「絶対に迷惑をかけない」とガチガチにルールを決めつけてしまうと、自分で自分を苦しめることになります。迷惑をかけないように意識することは大切ですが、「かけてはいけないんだ!」という厳しすぎるルールは少し手放してみてもいいかもしれません。

アプローチ3:コントロールできないことを認識する

アプローチ3:コントロールできないことを認識する
課題の分離

これは、アドラー心理学でいうところの「課題の分離」という考え方です。
「これは誰の課題(問題)なのか?」を分けて考え、相手の課題はコントロールできないものとして手放す、というアプローチです。

例えば、相手が咳払いをしていたり、イライラしていたりする。これは誰の課題でしょうか?あなたが何とかしなければいけないことでしょうか?

相手がイライラしているのを、あなたが何とかしようとしても難しいですよね。
声をかけることはできても、それで相手の怒りが収まるかは分かりません。相手の感情の変化は相手の問題なんです。他人はコントロールできません。

過去に「見てくるな」と言われた経験があるとしても、それは相手の問題でもあります。
「見てくるな」と言う相手も、あなたのことを見ているわけですから。

もちろん、自分の考え方を緩めたり、「自分のせいじゃないかも」と捉え直したりすることは、自分の課題として取り組むべきことです。でも、それに対して相手がどう反応するかは、相手の課題。相手の集中力がないのかもしれないし、感情のコントロールが苦手なのかもしれない。そこをしっかりと切り分ける境界線を持つことが大切です。

この他人との境界線に関する、僕が好きな詩を紹介させてください。
ゲシュタルト療法の創始者フレデリック・パールズの「ゲシュタルトの祈り」という詩です。

私は私のために生きる。
あなたはあなたのために生きる。

私はあなたの期待に応えて行動するために
この世にいるのではない。

そしてあなたも、私の期待に応えて行動するために
この世にいるのではない。

もしも縁があって、私たちが出会えたのなら
それは素晴らしいことだ。

出会えなくても、それはそれでまた素晴らしいことだ。

(フレデリック・パールズ 「ゲシュタルトの祈り」)

どうでしょうか?すごく心に響きませんか?

あなたは、相手の期待に応える必要はありません。
「相手をイライラさせないように行動しなきゃ…」
なんて思う必要はないんです。あなたはあなたのために生きていい。
もし誰かに嫌われたとしても、それは仕方がないこと。縁がある人と関係を築いていけばいいんです。
大切なのは、他人の評価に左右されず、自分がしたいことに焦点を当てることです。

アプローチ4:誰かに話してみる

アプローチ4:誰かに話してみる

視線の悩みは、なかなか人に話しにくいと感じるかもしれません。
でも、もし可能であれば、カウンセラーや信頼できる友人、家族など、話せる人にあなたの気持ちを打ち明けてみてください。

罪悪感は、自分の中に抱え込んだり、抑え込んだりするからこそ苦しくなるものです。誰かに話すことで、気持ちが整理されたり、相手が受け入れてくれることで「こんな罪悪感、持たなくてもよかったんだ」と救われたりすることがあります。

話すことで気持ちが言語化され、自分自身の理解も深まります。
また、相手から違う視点やアドバイスをもらえることもあるでしょう。必ずしも相手に悩みを完全に理解してもらう必要はありません。「うんうん」と聞いてもらうだけでも、気持ちがスッキリすることが多いものです。

もし、身近な人に話しても理解されなかった経験があるなら、専門のカウンセラーや、同じ視線恐怖症の悩みを持つ人たちと話してみるのも良いかもしれません。話してみることで、想像以上に気持ちが楽になるケースは本当に多いんです。

おわりに

今日は、視線恐怖症の方が抱えやすい罪悪感を和らげるための具体的な治し方や考え方についてお話ししました。

まとめると、

  • 視線恐怖症の罪悪感は「自分の視線が相手に迷惑をかける」という思い込みから来る。
  • 原因は「自分ルール」や「自分を責める思考パターン(認知の歪み)」。
  • 解消法は「認知の歪みを見直す」「自分ルールを見直す」「コントロールできないことを認識する」「誰かに話す」の4つ。

これらのアプローチは、今日からすぐに試せるものもあると思います。ただ、全部を完璧にやろうとしなくても大丈夫です。「~すべき」という思考は手放して、まずは「できそうなことから少しずつ」という気持ちでチャレンジしてみてくださいね。

あなたの心が少しでも軽くなることを、心から応援しています。

この記事が、あなたの悩みを解決する一助となれば幸いです。

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