【笑顔がひきつる原因】表情恐怖症を悪化させる5つの癖と手放し方

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この記事でわかること

  • 笑顔がひきつる、うまく笑えないという状態の裏側で何が起きているのか
  • 良かれと思ってやってしまいがちな、表情恐怖症を悪化させる5つの癖
  • 今日から1つだけ減らすとしたら、何から手をつけるのがいいのか

ザッキー

こんにちは、WaReKaRaゼミ代表「対人不安解消の専門家」ザッキーです

写真を撮られる瞬間に顔が固まってしまう。集合写真を見返して、自分だけ表情が変じゃないかと何度も確認してしまう。人と話している最中に、今の自分の顔はひきつっていないだろうかと気になって、会話の内容が頭に入ってこない。

こういう悩みを抱えていませんか。

そして多くの方が、この悩みをなんとかしようとして、自分なりの工夫を始めます。鏡で確認したり、家で笑顔の練習をしたり。すごく真剣に、真面目に取り組まれる方が多いです。

ただ、ここに落とし穴があるんです。その工夫のほとんどが、実は悩みを強める方向に働いてしまっているということが、僕がこれまで相談を受けてきた中でよくありました。

この記事では、表情の悩みを知らないうちに悪化させてしまう5つの癖についてお話ししていきます。しかもこの5つは、多くの方が良かれと思ってやってしまっているものばかりです。だからこそ、その中の1つでも手放せたら、人と会うことが今よりも少しずつ楽になっていくはずです。

笑顔がひきつる、うまく笑えない。それは表情恐怖症かもしれません

まず、この悩みには名前がついています。表情恐怖症と言います。

あまり聞き慣れない言葉かもしれません。ざっくり言うと、自分の表情に強い不安を感じてしまう対人不安の一種です。視線恐怖症や脇見恐怖症、あがり症などと同じ、対人恐怖と呼ばれるグループに入るものだと考えられています。

具体的には、こんな形で現れることが多いです。

  • 笑おうとすると顔がこわばって、自然な笑顔にならない
  • 写真に写るときだけ表情が固まってしまう
  • 作った笑顔が相手に不自然だと思われていないか気になる
  • 真顔でいると怒っていると思われそうで、常に表情を作ってしまう
  • 会話中、話の内容より自分の顔のほうが気になってしまう

ここで一つ、大事な前提をお伝えしておきます。

この不安そのものが悪いわけではないということです。

自分がどう見えているかを気にする感覚は、人と関わって生きていく上でごく自然なものです。まったく気にしない人のほうが、むしろ人間関係でつまずくことも多いくらいです。だから、不安を感じる自分を責める必要はまったくありません。

問題はそこではないんです。問題は、その不安をなんとかしようとして取っている行動のほうにあります。

表情恐怖症を悪化させるのは、不安ではなく不安への対処行動

不安だから確認する。不安だから隠す。不安だから練習する。

どれも一見すると、ちゃんと対処しようとしている前向きな行動に見えますよね。実際、本人はものすごく努力しているんです。

でも、これらの行動には共通点があります。すべてが、自分の表情に意識を集中させる方向に働いているということです。

そして表情というのは、意識すればするほどこわばります。こわばるから、もっと気になる。気になるから、もっと確認する。この繰り返しで、悪循環が回っていくんです。

つまり、症状を強めているのは不安の強さではなく、不安に対処しようとする行動の積み重ねのほうだということです。ここが理解できると、やるべきことの方向がかなり変わってきます。

意識を向けた場所ほど気になるようにできている

ちょっと実験してみてほしいんですけど、今この瞬間、自分の舌が歯のどこに当たっているか意識してみてください。

急に気になりませんか。

普段はまったく気にならないはずです。でも一度意識を向けた途端、その感覚が前面に出てきて、しばらく気になり続けます。人間の意識には、こういう性質があります。向けた場所ほど、感覚が大きくなるんです。

表情もまったく同じです。確認すればするほど、自分の顔が監視の対象になっていきます。監視対象になったものは、放っておけなくなります。だから不安が膨らみやすくなるんですね。

逆に言えば、意識を向ける回数が減れば、それだけで気になり方は自然と小さくなっていきます。ここが今日の話の土台になる部分です。

悪化させる癖① 鏡やスマホで自分の表情を何度も確認する

1つ目は、鏡やスマホのカメラで自分の表情を何度も確認してしまう癖です。

出かける前に、今日は変な顔になっていないかと鏡でチェックする。外出先のトイレでもう一度確認する。スマホのインカメラでこっそり自分の顔を見る。エレベーターの鏡や電車の窓に映った自分を、つい目で追ってしまう。

これはすごく自然にやってしまうことだと思います。不安なんだから確認したくなるのは当たり前ですよね。

ただ、これが逆効果になってしまうんです。理由は先ほどお話しした通りで、確認するたびに自分の表情への意識が強く向いてしまうからです。

しかも、確認には厄介な性質があります。1回では終わらないんです。

一度見て、大丈夫かなと思っても、5分後にはまた不安になってもう一度見たくなる。さっき見たときは大丈夫だったけど、今はどうだろうと気になる。こうして確認するほど安心は減っていき、確認の回数だけが増えていきます。

安心を買っているつもりで、実際には不安を育てているという状態になってしまうんですね。

これは対人不安全般で起きることですが、確認という行動は、一時的な安心と引き換えに長期的な不安を大きくすることが多いです。だからまずは、確認の回数を1回でも減らしてみてほしいんです。

悪化させる癖② 家で笑顔や表情を練習する

2つ目は、家で笑顔や表情の練習をしてしまう癖です。

自然に笑えるようになりたいと思って、鏡の前で口角を上げる練習をする。表情筋のトレーニングを毎日やる。動画を撮って自分の笑い方を研究する。こういうことをされている方は、実はかなり多いです。

ここは誤解されやすいところなので、丁寧にお話しします。

練習そのものが悪いわけではありません。

アナウンサーや俳優のように、訓練を重ねて自然な笑顔を身につけている人はたくさんいます。表情のトレーニング自体は、ちゃんと成立する技術です。

ただ、その人たちと表情恐怖症で悩んでいる人とでは、決定的に違うところがあるんです。

アナウンサーや俳優と、表情恐怖症の人の決定的な違い

違いは2つあります。

1つ目は、練習を重ねた結果、考えなくても出る状態になっているということです。考えて作っているのではなく、自動的に出るようになっている。練習の目的地が、意識しなくてもできる状態だということですね。

2つ目は、本番で自分の意識が自分の顔ではなく、伝えることや相手に向いているということです。カメラの前に立っているとき、彼らが考えているのは今の自分の口角の角度ではなく、何を伝えるかのほうです。

では、不安が強いときはどうなっているでしょうか。

会話の真っ最中に、今、変な顔をしていないかなと自分の表情をチェックしながら笑おうとしていると思います。相手の話を聞きながら、頭の片隅で自分の顔をモニターしている状態です。

このリアルタイムで自分を監視しながらコントロールしようとすることが、顔を固めてしまっている正体なんです。

笑顔というのは本来、面白いと感じたときに勝手に出てくるものです。出てくるものを、出す前に検査しようとすると、当然ぎこちなくなります。デリケートな動きほど、意識でコントロールしようとすると崩れやすいんですね。

だから練習すること自体が問題なのではなくて、本番で自分を見張りながら笑顔を作ろうとすることが問題なんです。

その場では、笑顔は作るよりも、出てくるのを邪魔しないくらいでちょうどいいです。

悪化させる癖③ 人と会う前に頭の中でシミュレーションする

3つ目は、人と会う前に頭の中でシミュレーションをしてしまう癖です。

あの人と話すとき、変な顔になったらどうしよう。うまく笑えなかったら気まずいだろうな。前回みたいに固まったら、今度こそ変に思われるかもしれない。

こんなふうに、会う前から頭の中で何度もリハーサルしてしまうんです。

これは心理学で予期不安と呼ばれるもので、まだ起こってもいないことを先回りしてあれこれ心配してしまう不安のことです。

そしてこの予期不安は、やればやるほど本番での不安が大きくなることが知られています。

脳は想像と現実をうまく区別できない

なぜかというと、脳は想像と現実をうまく区別できていないからです。

頭の中で失敗する自分を何度も再生すると、脳はそれを何回も失敗してきた場面として記憶していきます。すると脳は、この場面は危険だ、自分はここで失敗する、という思い込みをどんどん強めていきます。

だからいざ本番が来たときには、実際にはまだ何も起こっていないのに、頭の中ではもう何度も失敗した怖い場面になっているんです。これが本番の不安を膨らませてしまっている正体です。

しかも厄介なことに、頭の中で嫌な場面を何度も体験している分、本番を迎える前からもうクタクタになっています。会う前にエネルギーを使い切ってしまっているんですね。

そこまで準備しているのに、実際に会ってみると相手は全然そんなことを気にしていなかった、ということがほとんどです。

そもそも、シミュレーションした通りに会話が進むことは、まずありません。人との会話はその場で生まれてくるものなので、台本通りにはいかないんです。それなのに準備しすぎると、想定とズレた瞬間に頭が真っ白になりやすくなります。

だから、会う前に頭の中で何度も予行練習をしなくて大丈夫です。どう振る舞うかは、その場に立ってから決めても間に合います。

悪化させる癖④ マスクや前髪で顔を隠す、人と会う場面を避ける

4つ目は、表情を隠したり、その場を避けたりする癖です。

マスクで顔を隠す。下を向いて目を合わせない。前髪を伸ばして顔が見えないようにする。写真に写る場面から自然にフェードアウトする。そもそも人と会う機会そのものをなるべく減らす。

不安なとき、こうやって隠れたり避けたりすると、一瞬はすごく楽になります。実際、その場は無事に乗り切れます。

でも、ここに落とし穴があります。

隠して乗り切ると、脳は隠したから無事だったんだと学習します。これを裏返すと、あそこは隠さないと危ない場所だという意味になってしまうんです。つまり、不安を強化してしまっている。

これは安全行動と呼ばれるもので、繰り返すほど、隠さないと外に出られなくなっていきます。最初はマスクだけだったのが、そのうち帽子も必要になり、行ける場所が少しずつ減っていく。こういう形で行動範囲が狭くなっていく方は少なくありません。

だからこそ、少しずつでいいので、隠す行動を1個ずつ手放していくことが大事になります。

マスクを外せる場面では外してみる。会える人とは会ってみる。最初はもちろん怖いです。心臓がバクバクすると思います。

でも、隠さなくても意外と大丈夫だったという経験が1個ずつ積み上がっていきます。その小さな一歩が、悪循環を逆回転させていくんです。

悪化させる癖⑤ 相手の表情から変に思われていないか確かめる

5つ目は、相手の表情を見て、変に思われていないか確認してしまう癖です。

話しながら相手の顔をちらっとうかがう。相手がちょっと真顔になっただけで、今の自分の表情が引いたのかなと思ってしまう。相手が視線を外した瞬間に、変だと思われたのかもしれないと感じる。

これも、相手の顔色で自分の不安を確かめようとする行動です。

ただ、これは確かめているようで、実は何も確かめられていないんです。

なぜなら、相手がどうしてその表情をしているのか、本当の理由は分からないからです。

相手が真顔なのは、ただ話に集中しているだけかもしれません。ちょっと疲れているだけかもしれない。さっき届いた仕事のメールのことを考えているだけかもしれない。あなたの表情とは何の関係もない可能性のほうが、はるかに高いんです。

それなのに、不安なときほど僕らはそれを全部自分のせいに変換してしまいます。そして、やっぱり変に思われたんだと、勝手に確信を深めていくんです。

相手の表情を見て自分は変じゃなかったかと確かめようとしても、確かな答えは返ってきません。返ってこないどころか、不安なときの自分は、どんな材料も悪いほうに解釈してしまいます。

確かめるほど不安になるだけなら、その確認は手放したほうがずっと楽になります。

僕が脇見恐怖症の10年でやっていた、逆効果な対処

ここまで5つの癖をお話ししてきましたが、これは僕自身が通ってきた道でもあります。

僕は中学生の頃から20代前半までの約10年間、脇見恐怖症で悩んできました。自分の視線が人からどう見られているのかが気になって仕方がなかったんです。症状は表情ではなく視線でしたが、不安の根っこは近いので、こじらせてしまう癖もほとんど同じでした。

当時の僕がやっていたことを、正直に書きます。

人が多い場所を避ける。視線が集まる席には座らない。教室では一番後ろの端を選ぶ。飲み会は用事があることにして断る。できるだけ目立たないように振る舞う。そして家では、どうすれば自然に見えるかを一人で研究する。

全部、今日お話しした癖です。

そして、そうやって隠れて乗り切るたびに、やっぱり自分は人前が苦手なんだ、ダメなんだという思い込みがどんどん強くなっていきました。乗り切れたのに、自信は減っていくんです。

当時の僕は、直そうとしていろいろ試しては、かえって悪化させるという悪循環にいました。本を読んで、セミナーに出て、自己分析をして。200万円以上を自己投資に使いましたが、症状はほとんど変わりませんでした。

今振り返ると、やっていたことのほとんどが自分の内側に意識を集める行動だったんですよね。だから変わらなかったんだと思います。

その後、カウンセラーとして200人以上の相談を受けてきましたが、表情の悩みで来られる方にも、同じパターンがはっきり見えます。真面目な方ほど、この5つを丁寧にやり込んでしまっているんです。

だから、もし今この記事を読んで自分に当てはまると感じたとしても、それはあなたの努力が足りなかったからではありません。むしろ努力の方向が、たまたま逆を向いていただけです。

表情恐怖症の治し方は、足すより減らすことから

やめたほうがいい癖を5つ見てきました。そうすると、じゃあ何をすればいいのかと思いますよね。

やることは、実はすごくシンプルです。

まずは何かを足すことよりも、減らすことのほうが大事です。

新しいテクニックを覚えるよりも、悪循環の元になっている行動を1個ずつやめていく。これだけで急に気持ちが軽くなることが本当にあります。

もう一度考えてみてほしいんですけど、ここまで紹介した5つの癖は、全部表情に意識を集中させる行動でした。

  • 確認する
  • 練習する
  • シミュレーションする
  • 隠す
  • 相手の顔色を探る

全部、自分から表情という一点に意識を集めに行っています。だから、その意識を集める行動を少しずつ手放していくことが、そのまま改善の道になるんです。

完璧にやめる必要はありません。回数を半分にするだけでも十分です。

あ、また確認しようとしているな、と気づけたら、それだけでもう一歩前に進んでいます。気づいて、ちょっとやめる。これを繰り返していくうちに、悪循環は少しずつ落ち着いていきます。

今日から減らすなら、鏡とスマホの確認から

もし今日から1つだけ減らす行動を選ぶとしたら、僕がおすすめするのは鏡やスマホで自分の顔を確認する回数を減らすことです。

理由は2つあります。一番回数が多くて、一番すぐに減らせる癖だからです。

たとえば、今日家を出る前に1回だけ鏡を見たら、もうそれ以上は見ない。外出先のトイレでは鏡を見ずに手を洗って出る。それくらいの、ごく小さなルールで大丈夫です。

たったそれだけでも、自分にもコントロールできることがあるんだという感覚が生まれてきます。その感覚は、思っている以上に大きな支えになっていきます。

最後に、これだけは覚えておいてほしいことがあります。

表情は、もともとちゃんと動くようにできています。

あなたの表情筋が壊れているわけでも、笑い方を忘れたわけでもありません。ただ、これまでの癖がそれを邪魔してしまっているだけなんです。邪魔をやめれば、動くようになっていきます。

まとめ

今回は、笑顔がひきつる、うまく笑えないという悩みの裏で起きていることと、表情恐怖症を悪化させる5つの癖についてお話ししてきました。

大事なところを振り返ります。

  • 表情恐怖症は、不安そのものよりも、その不安に対処しようとする行動が悪循環を強めている
  • その行動とは、鏡での確認、表情の練習、事前のシミュレーション、隠す・避ける、相手の顔色の確認という5つの癖
  • 抜け出すコツは、新しいことを足すよりも、その癖を1個ずつ減らしていくこと

まずは、これをやっていたなと思うものを1つ選んでみてください。それだけで十分です。全部を一度に手放そうとすると、今度はそれが新しいプレッシャーになってしまいますから。

今日から回数を半分にする。それくらいの温度感で、ゆっくり進めていきましょう。

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