【怒られるのが怖い】自分が悪いと思ってしまう理由と3つの対処法

動画でご覧になりたい方はこちら。約11分の動画です

この記事でわかること

  • 怒られるのが怖い人が、指摘された後ずっと引きずってしまう本当の理由
  • 頭では分かっているのに心が保てないのは、感情の反応が思考より先に動いているから
  • 怒られる怖さには2つの軸があり、それぞれ向き合い方が違うということ
  • その怖さを少しずつ変えていくための、今日からできる3つの実践ポイント

ザッキー

こんにちは、WaReKaRaゼミ代表「対人不安解消の専門家」ザッキーです

上司や先輩に一言指摘されたあと、その気持ちをしばらく引きずってしまうこと、ありませんか。

あの言い方、怒ってたよな。また失望された気がするな。次にまた何か言われたらどうしよう。

こんなふうに、指摘された場面がその後もずっと頭の中に残り続ける。家に帰ってからも、ご飯を食べながらも、いざ寝ようとした瞬間にも、またあの場面が浮かんできてしまう。

そしてだんだん、怒られること自体が怖くなっていきます。相手の声のトーンがちょっと変わっただけで心拍数が上がる。会議中に名前を呼ばれただけで頭が真っ白になる。チャットで上司から「ちょっといいですか」と来ただけで、何かやらかしたんじゃないかと胃が縮む。

どれか1つでも心当たりがあるなら、今日の記事はきっと参考になると思います。

僕自身も昔、対人不安が強かった時期があります。特に新卒で入った会社では、また怒られるかもしれないという感覚が、いつも頭のどこかにある状態が長く続いていました。

以前、怒られたり指摘されたりすることが怖いというテーマで動画を出したところ、こんなコメントをいただきました。

  • 「そんなことで解決するなら苦労しない」
  • 「理屈では理解できても、心が保てない」

この感覚、めちゃくちゃ分かります。理屈では分かっている。でも実際の場面になると全然ダメで、怖いままなんですよね。同じように感じている方は、他にもたくさんいらっしゃると思います。

そこで今日は、なぜ頭で分かっているのに心が保てないのか、その正体を丁寧にお伝えしていきます。そして、多くの人が見落としているもう1つの怖さについても解説します。

怒られるのが怖い。指摘の後ずっと引きずってしまうのはなぜ?

怒られるのが怖い。指摘の後ずっと引きずってしまうのはなぜ?

まず、指摘された後に気持ちを引きずってしまうこと自体について、少し整理しておきたいと思います。

怒られたその場では、意外と冷静に受け答えできていたりします。
「すみません、以後気をつけます」と言って、その場は終わる。問題はその後なんですよね。

デスクに戻ってから、さっきのやり取りが頭の中で再生され始めます。

あのとき自分はこう言ったけど、あれは言い訳に聞こえたんじゃないか。
相手の眉間にシワが寄っていた気がする。周りの人にも聞こえていたよな。

そんなふうに、細かい場面が何度も何度も頭の中でリプレイされていく。

これは心理学で反芻思考と呼ばれるものです。牛が一度飲み込んだ草をもう一度口に戻して噛み直すことを反芻といいますが、それと同じように、同じ出来事を頭の中で何度も噛み直してしまう状態のことなんです。

ここで知っておいてほしいのは、これはあなたの記憶力が人一倍良いから起きているというわけではないことです。

脳は、自分にとって危険だと判断した出来事を優先的に処理しようとします。次に同じことが起きたときに備えるためです。つまり、指摘された場面が何度も頭に浮かんでくるのは、脳がその出来事を対処すべき脅威として扱っているサインなんですよね。

だから、忘れようとしても忘れられない。むしろ忘れようとすればするほど、そのことを考えてしまう。これは意志の問題ではなく、脳の仕組みとしてそうなっているんです。

頭では分かっているのに心が保てない本当の理由

頭では分かっているのに心が保てない本当の理由

ここからが今日の本題です。最初に結論からお伝えします。

頭では分かっているのに心が保てないのは、精神力が足りないという話ではまったくありません。

その理由は、感情の反応が思考よりも先に動いてしまっているからなんです。

感情の反応は思考より先に動いている

もう少し詳しくお話しします。

怒られるかもしれない、指摘されるかもしれないという場面に入ったとき、私たちの頭は少し遅れて動き始めます。落ち着いて考えてみれば、これは業務上の確認事項であって自分の人格を否定されたわけじゃないな、といったふうに。

ところが、感情のほうはすでに動き終わっているんです。心臓はもうバクバクしているし、手のひらには汗をかいているし、頭の中は真っ白に近い状態になっている。

その結果、頭では分かっているのに、体と気持ちがまったくついてこないという状態が生まれます。これが、理屈では分かっているのに心が保てないというものの正体なんですよね。

順番が逆なんです。多くの人は、怖いと考えたから体が反応すると思っています。でも実際には、体が反応したあとに、頭が追いかけて理由を探しているような状態になっているんです。

精神力が足りないという話ではない

そしてこれはあなたの精神力とかメンタルの弱さが原因ではありません。この話をすると、少しホッとする方が多いです。

というのも、怒られるのが怖いと悩んでいる方の多くが、自分はメンタルが弱いんじゃないか、こんなに怖がるのは異常なんじゃないか、もしかして何かの病気なんじゃないか、と自分を責めているからなんですね。

でも、心拍数が上がる、手に汗をかく、頭が真っ白になる。これらは全部、あなたが怖いと考えた結果として起きているものではありません。考える前に、体が勝手に動いてしまっているんです。

これは意志の力でどうこうできる領域ではないです。だから、怖がってしまう自分を責める必要はまったくないんです。ここをまず知っておいてほしいなと思います。

怒られるのが怖い反応は、体が学習した結果

怒られるのが怖い反応は、体が学習した結果

では、なぜ感情や体の反応が、頭よりも先に動くようになるのでしょうか。

いちばんシンプルに言うと、この反応は、もう頭で判断して出てくるものではなくなっているからです。

怒られた、強く指摘された。そういう経験が積み重なっていくうちに、脳と体は似たような場面に入った瞬間に先回りして動くように学習していきます。

分かりやすいのが自転車の例です。乗り始めたころは、次に右に曲がるには重心をこっちにずらして、ハンドルをこれくらい切って、と一つひとつ考えていたはずです。でも乗り慣れてくると、そんなことはいちいち考えなくなりますよね。繰り返すうちに、体が先に動くようになっていく。

それと似たことが、対人の場面でも起こっているんです。

「名前を呼ばれた。声のトーンが少し低かった。上司がこちらに向かって歩いてくる。チャットの通知が来た。会議室に呼ばれた」
こういった小さな手がかりに対して、体がもう先に反応してしまうようになる。頭がこれはどういう状況なのかなと整理を始めるより前に、体のほうが動いているんです。

だから、あなたが特別に怖がりだとか、人より弱いとか、そういう話ではないんですよね。繰り返してきた経験の中で、体がそう動くようになったというだけのことなんです。

そしてここが大事なところなんですが、学習して身についたものは、時間はかかっても学習し直していけます。今の反応が一生このままということではないんです。

課題の分離を知っても、仕事の場面で怖さが消えないのはなぜか

課題の分離を知っても、仕事の場面で怖さが消えないのはなぜか

ここで少し補足させてください。

以前の動画では、「怒られることへの怖さが強い人は、指摘してくる相手を自分を否定する人だと思い込んでいることが多い」という話をしました。そして、「アドラー心理学の課題の分離という考え方を知ると楽になりますよ」ともお伝えしました。

アドラー心理学の課題の分離とは

課題の分離というのは、相手の感情や行動はあくまで相手のものであって、自分が責任を取る必要はないという考え方です。

たとえば、あなたが提出した資料に不備があって、上司が不機嫌になったとします。このとき、資料に不備があったという事実はあなたの課題です。修正すればいい。でも、それを見て上司がどんな気分になるか、どんな言い方をするかは、上司の課題なんですよね。あなたがコントロールできる範囲の外にある。

この考え方自体は間違っていませんし、実際に知ることで気持ちが軽くなる方もたくさんいます。

頭と体の反応にはタイムラグがある

ただ、ここまで読んでいただいた方はもうお分かりだと思います。

課題の分離は、頭で考えている部分には届きます。でも体の反応は、頭よりももっと早いところで起きているので、考え方を知っただけでは止められないことが多いんです。

知識としては分かっているのに、実際の場面ではできない。その正体はここにあります。頭と体の反応の間には、タイムラグがあるということなんです。

ここで誤解してほしくないのは、だから知識は無意味だ、という話ではないということです。効くタイミングが違うだけなんですよね。

課題の分離のような考え方は、怒られている最中には間に合いません。でも、そのあとの整理には確実に効きます。家に帰ってから場面を反芻しているとき、あれは相手の課題だったなと切り分けられると、引きずる時間が少しずつ短くなっていく。そういう使い方をするものだと考えてもらうといいと思います。

仕事で怒られてばかりの人が抱える、自分が悪いという結びつき

仕事で怒られてばかりの人が抱える、自分が悪いという結びつき

もう1つ、知っておいてほしいことがあります。これはカウンセリングやWaReKaRaゼミの中でも、本当によく出てくるテーマです。

怒られることへの怖さが強くなりやすい人には、ある共通点があります。それは、怒られた=自分という人間を否定されたという結びつきが、無意識のうちに出来上がっているということです。

本来、「この仕事のやり方を変えてほしい」という指摘と、「あなたはダメな人間だ」という評価は、まったくの別物です。前者は行動についての話で、後者は人格についての話ですよね。

頭では、なんとなくそれが分かっている方も多いです。でも感覚としては、まったく同じように受け取ってしまう。相談の中でも、こういう話がよく出てきます。

実際、仕事で怒られたあとに、自分が悪いんだ、自分に能力がないからだ、この仕事に向いていないんだ、とまで考えてしまう方は少なくありません。指摘されたのは資料の書き方1つだったはずなのに、いつのまにか自分の存在そのものへの評価にすり替わってしまっているんです。

この結びつきが強いと、ちょっとした指摘でも自分そのものを否定されたように受け取ってしまいます。だから怖さの反応が強く出やすくなるし、引きずる時間も長くなる。同じ言葉をかけられても、人によってダメージがまったく違うのは、この結びつきの強さが違うからなんですよね。

この結びつきがどこで作られるのかは人によりますが、相談の中でよく聞くのは、子どものころの叱られ方です。何をしたかではなく、どうしてあなたはいつもそうなの、という言い方で叱られてきた経験がある方は、行動と人格が最初からセットになった状態で覚えてしまっていることがあります。

あるいは、成果を出せているかどうかが自分の価値そのものだという感覚が強い環境で長く働いてきた方も、この結びつきが強くなりやすいです。

ここでお伝えしたいのは、原因を突き止めて誰かのせいにしようという話ではありません。この結びつきは後から作られたものであって、生まれつきのものではない。だからほぐしていける、ということなんです。

理不尽に怒られる・地雷を踏むのが怖い。予測できないことへの不安

理不尽に怒られる・地雷を踏むのが怖い。予測できないことへの不安

さきほどのショート動画には、もう1つこんなコメントもいただきました。

「知らないうちに相手の地雷を踏んでしまっているのが怖いんです」

これもすごく分かります。そしてこれは、ここまで話してきた怖さとは別の種類の怖さなんですよね。

怒られる怖さというのは、自分に何か非があった場合の怖さだけではありません。相手がどこで怒り出すか分からないという、予測できないことへの怖さも含まれているんです。

実際、悪くないのに怒られる、自分だけ怒られる、理不尽な理由で怒られる。こういう経験を職場で重ねている方は本当に多いです。そしてこのタイプの怖さは、自分が否定される怖さとは対処のしかたが変わってきます。

どんなに相手の感情は相手のものだと理解していても、いつ何がきっかけになるか分からないという状況では、ずっと緊張が抜けません。自然に振る舞えなくなるのも当然のことなんですよね。

むしろこの状況で気をつけてほしいのは、相手の機嫌を完璧に読もうとしてしまうことです。今日はどんな様子かな、この言い方で大丈夫かな、と常にアンテナを張り続ける。一見すると賢い対処に見えますが、これをやるとますます緊張が抜けなくなって、消耗が激しくなっていきます。

予測できなさへの怖さがあるときに大切なのは、状況を完璧にコントロールしようとすることではなくて、安心できる環境の中で少しずつ経験を積み重ねていくことなんです。

また怒られるかもしれない。でも今回は何ともなかった。そういう体験を1つずつ積み重ねていくことで、次も絶対に最悪なことになるという考え方が、少しずつ薄くなっていきます。

ここまで、理屈で分かっているのに心が保てない正体と、地雷を踏む怖さという別の不安の軸についてお話ししてきました。

こういう内容って、読んでいるときは理解できたと思っても、日常の中で実際に怖さが出てくると、すぐに忘れてしまいがちなんですよね。

そこで、今回の内容を整理した復習用の資料を、僕の公式LINEからお渡ししています。公式LINEを追加していただいて、「怒られる」という4文字を送っていただくと、資料が自動で届くようになっています。

あわせて、対人不安改善のための3日間動画講座も無料で受け取っていただけます。僕自身が約10年間悩んだ脇見恐怖症・対人恐怖を乗り越えた経験と、200人以上のクライアントとの相談から見えてきたことを、3日間でお伝えする内容です。

下のバナーから受け取れますので、このあとお伝えする実践ポイントとあわせて活用していただけたらと思います。

怒られるのが怖いときの対処法3つ

ここからは、この怖さを少しずつ変えていくための実践的なポイントを3つお伝えします。

①その怖さがどちらの軸から来ているか確認する

①その怖さがどちらの軸から来ているか確認する

1つ目は、怒られたり指摘されたりしたあとに怖さが出てきたとき、ちょっとだけ立ち止まって自分に問いかけてみることです。

これは自分を否定された感覚から来る怖さなのか。それとも、またいつ怒られるか分からないという予測できない怖さなのか。今日お話しした2つの軸の、どちらに近いだろうか、と考えてみるんです。

すぐに答えが出なくても大丈夫です。そもそも怒られる怖さには、いろんな種類があります。嫌われて関係が壊れてしまうかもという怖さ。周りに見られていたという恥ずかしさから来る怖さ。また同じことを繰り返してしまうかもという怖さ。どうすればよかったのか分からないという怖さ。

今日取り上げた2つは、その中の一部にすぎません。全部がこの2つに当てはまるわけではないんです。

それでも、自分の怖さがどこから来ているのかを少し考えてみるだけで、ぼんやりとした1つの塊だった怖さに、少しずつ輪郭が生まれてきます。輪郭が生まれると、次に何を考えればいいかが少し見えてくるんですよね。

たとえば、これは否定された感覚から来ている怖さかもしれない、と気づけたなら、これは私の行動への指摘であって、私という人間を否定されたわけじゃないかも、という考えが少しだけ見えてくるようになります。

予測できない怖さから来ているかも、と気づけたなら、相手がどこで怒るかは自分にはコントロールできないことかもしれない。そういう見方が少し持ちやすくなります。

自分の怖さの中身を知ること。これが、怖さを変えていくための入り口になるんです。

②行動への指摘か、人格の否定かを1度だけ問いかける

②行動への指摘か、人格の否定かを1度だけ問いかける

2つ目は、怒られたり指摘されたりしたあとに、これは私の行動への指摘なのか、それとも私という人間への否定なのか、と1度だけ自分に問いかけてみることです。

さきほどお伝えしたように、指摘された=自分を否定されたという結びつきが強いと、小さな指摘でも大きなダメージになりやすくなります。だからこの2つを、意識的に切り分けていくんです。

具体的には、相手が実際に口にした言葉だけを思い出してみるといいと思います。この資料、締め切りが守れていないよね。この部分の数字が違っているよ。ここまでが、実際に言われたことです。

そこに、だから自分はいつもダメなんだ、能力がないんだ、という部分が自動的にくっついてきていないか。ここを見てみるんですね。

問いかけてみて、すぐに答えが出なくても大丈夫です。もしかしてこれは行動の話だったかもな、という気づきがほんの少し生まれるだけでもいいんです。その小さな気づきが積み重なることで、結びつきが少しずつほぐれていきます。

ちなみに、これは気づいてもすぐにまた戻る、ということが最初のうちは本当に多いです。でもそれで全然オッケーなんです。気づいては戻る、気づいては戻るという繰り返しの中で、少しずつ結びつきが緩んでいく。これがこの変化の形なんですよね。

③なんとかなったという体験を積み重ねる

③なんとかなったという体験を積み重ねる

3つ目は、怒られてもなんとか乗り越えられたという体験を、少しずつ積み重ねていくことです。

怒られる怖さが強い人の背景には、怒られたら取り返しがつかない、最悪の事態になってしまうというイメージが、無意識のうちにあることが多いんです。

でも実際には、怒られたあとも場面は続きますし、関係も続きます。そして多くの場合、時間が経てばなんとかなってきた、というのが本当のところなんですよね。

ここでおすすめしたいのが、あとから振り返ってみることです。怒られた直後は誰でも冷静になれません。だから3日後でも1週間後でもいいので、あのときはしんどかったけど、結局なんとかなったな、と確認してみる。

そういう体験が積み重なることで、怒られたとしても完全に終わりになるわけではないという感覚が、少しずつ育っていきます。

これは急にはできません。でも振り返ったあとに、あれ、意外と自分どうにかしてきたな、という感覚が少しずつ積み上がっていくものなんです。それが、この怖さを変えていくいちばんの土台になっていきます。

まとめ。怖さは意志の強さではなく、正体を知ることから変わる

今日お話しした内容を整理します。

  • 頭では分かっているのに心が保てないのは、意志の問題ではない。感情の反応が思考よりも先に動いているからです
  • その反応は、繰り返した経験の中で体が学習したもの。だからこそ、学習し直していけます
  • 怒られる怖さには2つの軸がある。自分が否定されるという怖さと、いつ怒られるか予測できないという怖さです
  • 実践ポイントは3つ。①怖さがどちらの軸に近いか確認する ②行動への指摘か人格の否定かを問いかける ③なんとかなったという小さな体験を積み重ねる

これを一度に全部できなくても、まったく問題ありません。3つのうち、いちばん取り組みやすそうなものを1つだけ選んで、次に怒られたときに試してみる。それで十分だと思います。

怒られるのが怖いという悩みは、意志の強さで乗り越えるものではないんですよね。その怖さがどこから来ているのかを知って、少しずつ扱えるようにしていくもの。今日の内容が、その最初の一歩になればうれしいです。

焦らず、自分のペースで進めていってくださいね。

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