【視線恐怖】何年も良くならない人へ|森田療法で見直す3つの考え方
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- 何年も頑張っているのに、視線恐怖がなかなか良くならないと感じてしまう理由
- 森田療法をもとにした、不安の見方・不安の続き方・回復の物差しという3つの考え方の転換
- 今日の寝る前からできる、やれたことを1行だけ書く習慣

こんにちは、WaReKaRaゼミ代表「対人不安解消の専門家」ザッキーです
人の目が気になる悩みと、もう何年も向き合ってきた。本も読んだし、ネットで調べた方法もいろいろ試してきた。
それなのに、なかなか良くならない…。
少し楽になった気がしても、しばらくするとまた元に戻ってしまう。そのたびに「やっぱり自分は治らないのかな」と落ち込んでしまう…。
もしそんな状態が続いているなら、一度だけ見直してみてほしいことがあります。それは、あなたが目指している「良くなる」の中身です。
ここがずれたままだと、どれだけ頑張ってもしんどい状態が続いてしまうことが多いんです。
この記事では、視線の悩みが少しずつ良くなっていく方が、どこで考え方を切り替えているのかをお話しします。切り替えのポイントは3つあって、不安の見方、不安の続き方、そして回復を測る物差しです。どれも森田療法という考え方が土台になっています。
〜目次〜
視線恐怖が治らないのは努力不足ではない。良くなる人との違いは見ている方向

僕自身、悩んでいた頃は「自分の視線で他人を不快にさせてはいけない…」と思い込んでいて、顔をあげられない時期が長く続きました。今はカウンセラーとして、視線恐怖症や対人恐怖症で悩む方のコミュニティ、WaReKaRaゼミを運営しています。
たくさんの方の相談を受けてきて感じるのは、視線の悩みには、同じくらい深く悩んでいても少しずつ楽になっていく方と、何年も同じところで足踏みしてしまう方がいる、ということです。
この差は、努力の差ではありません。やっている量だけで言えば、足踏みしている方のほうが必死に頑張っていることも多いくらいなんです。
では何が違うのかというと、見ている方向です。視線の悩みに対する考え方の向きそのものが違っています。
足踏みしてしまう方は、ずっと「どうやったら視線の不安をなくせるか」を考え続けています。人の目が気にならなくなる方法を調べて、試してみて、少し良くなった気がして、また元に戻る。この繰り返しで何年も経ってしまうんです。
ここで、この記事でいう「良くなる」の意味をそろえておきたいと思います。
良くなるというのは、視線がまったく気にならなくなる、という意味ではありません。人の目が気になる場面は、これからもきっと出てくると思います。
そうではなく、
「視線が気になった日でも、行きたかったお店に入れた!」
「友達との約束を当日キャンセルせずに会いに行けた!」
そういう変化のことを、ここでは「良くなる」と呼んでいます。
不安がゼロになることではなく、不安があっても日常が前に進むこと。このあとお話しする3つの転換は、どれもこのゴールに向かうためのものです。
森田療法とは?不安をなくすのではなく、付き合い方を変える考え方

3つの転換のベースになっているのが、森田療法という考え方です。
森田療法は、今から100年ほど前に日本で生まれた心理療法です。精神科医の森田正馬(もりたまさたけ)氏が考えたもので、今でも対人恐怖や対人不安の悩みに使われています。
森田療法と聞くと、入院して治療を受けるイメージを持つ方もいるかもしれません。実際にそういう治療の形もあるんですが、今回お話しするのは治療そのものではなく、その根っこにある物の見方の部分です。
森田療法の大きな特徴は、不安を取り除こうとしないところにあります。不安は不安としてそのままにしておき、そのうえで自分がやりたいことをやっていく。不安と戦うのではなく、付き合い方を変えていくという考え方なんですよね。
病院に行かなくても、特別な道具がなくても、今日から誰でも取り入れられる考え方です。ここから1つずつ見ていきましょう。
視線恐怖の転換① 不安を欠点ではなく、大事にしたいことのサインとして数える
視線の悩みがある方は、不安を敵として扱っていることが多いんです。
「この不安さえなければ、普通に人と関われるのに…」「この感覚さえ消えれば、人生が変わるのに…」
そう思ってしまうのは自然なことだと思います。実際、僕もずっとそうでした。
不安の裏側には、生の欲望がある

森田療法では、この不安を別の角度から捉えます。「不安の裏側には、セットで願いがある」という見方です。
森田療法ではこれを生の欲望と呼びます。「よりよく生きたい、成長したい」といった、誰もが持っている前向きな力のことです。
たとえば、人と目が合うのが怖い。自分の視線で、相手に嫌な思いをさせている気がしてしまう。
この不安の裏側には何があるでしょうか。人を傷つけたくない。ちゃんと人と関わりたい。相手にいい印象を持ってもらいたい。そんな気持ちがあるはずです。
もし本当に人のことがどうでもよかったら、自分の視線が相手にどう影響するかなんて、1ミリも気にならないと思うんです。気にならない人は、本当に気にならないんですよね。
森田療法では、不安が強い方ほど、この生の欲望も強いと考えられています。よく思われたい、ちゃんとやりたい、人に迷惑をかけたくない。こういう気持ちが強いからこそ、うまくいかない可能性のほうに意識が向きやすくなるわけです。
強い願いと強い不安は、同じ根っこから出てきているんです。
僕が悩んでいた頃を振り返っても、当時いちばん強かったのは「人に嫌な思いをさせたくない」という気持ちでした。その気持ち自体は、何も悪いものではなかったんです。
コンビニのレジで視線を下げてしまった日の見方
ここが1つ目の転換です。不安が出た場面を、自分の欠点が出た場面として数えるのをやめること。かわりに、自分が何を大事にしたいかが出た場面として数えてみてください。
具体的な場面で考えてみましょう。
コンビニのレジで店員さんと目が合いそうになって、あなたはとっさに視線を下げてしまったとします。家に帰ってから「なんであんな不自然な動きをしちゃったんだろう…」と、何度も思い返してしまう。
この場面を欠点が出た場面として数えると、その日1日が失敗で終わってしまいます。
でも、大事にしたいことが出た場面として数えると、見え方が変わってきます。あの一瞬、とっさに視線を下げたのは、相手に不快な思いをさせたくなかったからです。その気持ちがゼロの人は、とっさに視線を下げたりはしません。
つまり、あの動きは欠点の側から出たものではなく、優しさの側から出たものだったということなんです。
やってみてほしいのは、不安が強く出た場面を思い出したときに、自分に1つだけ質問することです。
「今の自分は、何を守りたかったんだろう」
相手を不快にさせたくなかったのか。その場の空気を壊したくなかったのか。ちゃんとした人だと思われたかったのか。
はっきりした答えが出なくても大丈夫です。
この質問を1つ挟むだけで、家に帰ってから浮かんでくる言葉が変わってきます。「また今日もやってしまった」ではなく、「あの人に嫌な思いをさせたくなかったんだな」という言葉が出てくるようになるんです。
WaReKaRaゼミや個別相談の中で見ていても、この見方に変わった方から、自分を責める回数が減ったという話をよく聞きます。
今回お話しする3つの転換は、復習用の資料にまとめて公式LINEでお渡ししています。下の画像からLINEを友だち追加して「転換」と送ると自動で届くので、不安が出た日に見返せるよう手元に置いておいてください。

視線恐怖の転換② 不安には山がある。森田療法の感情の法則

2つ目の転換は、不安の続き方を知っておくことです。
不安が強く出たときのことを、少し思い出してみてください。
通勤電車の中でだんだん動悸がしてきたとき。授業中に視線のことが気になって体が固まってしまったとき。職場の自分の席にいるときや、会議が始まる直前かもしれません。
そういうとき、頭の中に「この状態がこの先もずっと続くんじゃないか」という言葉が浮かんでくることがあると思います。
その瞬間は、苦しさに終わりがないように感じてしまいます。あと何十分もこれが続いて、いつ終わるのかもわからない。だから余計にしんどくなるんですよね。
森田療法には、感情の法則という考え方があります。感情はそのままにしておくと、山なりのカーブを描くという見方です。だんだん上がっていってピークが来て、そこから少しずつ下りていく。同じ強さのまま続き続けることはない、という考え方です。
ちょっと思い出してみてほしいんですが、去年いちばん不安が強かった日のことを、今もあのときと同じ強さで感じているでしょうか。
たぶん、感じていないと思います。
それは、感情が山を越えて下りていったからなんです。
不安の山に気づけないのは、ピークの手前でその場をしのいでしまうから

では、なぜ僕たちはこの感情のカーブに気づけないのか。
それは、不安がいちばん高くなる手前で、その場をしのぐ行動をとってしまうからです。
電車なら、すぐ次の駅で降りてしまう。スマホをずっと見て、周りを視界に入れないようにする。うつむいて目を閉じる。
その瞬間は、たしかに楽になります。でも、不安がひとりでに下がっていくところを最後まで見届けないまま終わってしまうんです。だから、放っておいたら自然に下がったという経験が、なかなか自分の中に残らないんですよね。
ただ、不安には山があるということを知っているだけで、変わることがあります。
それは、不安が上がってきた瞬間に「この先どうなるんだろう」という不安が、もう1つ上に乗っかってこなくなることです。
実は、不安そのものよりも、終わりが見えない感覚のほうに消耗していることが多いんです。山があるとわかっていれば、少なくともこの2階建てになった不安からは降りられます。
たとえば、電車で向かいの席の人が視界に入ってきて、不安が上がってきたとします。そこで「このまま降りる駅まで何十分も耐え続けないといけないのか」と思うと、絶望的な気持ちになると思います。
でも実際には、不安がいちばん高くなるのはたいてい最初の数分です。そこを越えると、体のほうが先に慣れていきます。2駅、3駅と過ぎたあたりで、さっきより呼吸が楽になっていることに気づくはずです。
山の高さは日によって違う。高い日があっても悪化ではない
もう1つ知っておいてほしいのは、感情の山の高さは、その日によって違うということです。
同じ通勤電車でも、寝不足だったり体調が悪かったりする日は高く上がりますし、調子のいい日はそれほどでもなかったりします。
なので、今日たまたま不安のピークが高く上がったからといって、症状そのものが悪化したわけではないんです。
ここを「また悪くなった」と受け取ってしまうと、そこからもう1段、落ち込みが乗っかってきます。
高さは日によって変わる。でも、上がったものは下りていく。この2つを覚えておくだけで、不安との付き合い方はだいぶ変わると思います。
不安の強さそのものは、自分では決められません。でも、山が今どのあたりにあるのかを見ていくことは、自分でできることなんです。
視線恐怖の転換③ 回復の物差しを、不安の量からやれたことに変える

3つ目の転換は、自分の回復を何で測るかという物差しを変えることです。
多くの方は、自分の回復をこんなふうに測っています。
「今日は不安が少なかったから、いい日だった」「今日は視線が気になったから、ダメな日だった」
つまり、不安の量を物差しにしているんです。
不安の量で測ると、意識がずっと内側に向いてしまう

不安の量で自分を測っていると、何が起きるのか。
今の自分の不安がどれくらいなのかを、1日中チェックし続けることになります。その結果、意識がずっと自分の内側に向いたままになるんです。
視線の悩みは、意識が自分の内側に向いているときほど強くなりやすいと考えられています。つまり、この物差しを持っているだけで、かなり不利な状態になってしまうんです。
ちなみに、この注意の向き方は、自分の意思で切り替える練習ができます。「注意訓練法」と呼ばれるもので、WaReKaRaゼミでも取り入れているワークです。
この物差しが厄介な理由は、もう1つあります。
先ほどお話ししたように、不安の量はその日の体調や睡眠、天気によっても変わってしまいます。自分でコントロールできないものを基準にしていると、毎日点数をつけられているような気持ちになってしまうんですよね。
そして調子の悪い日には「やっぱり自分はダメだ」と、今まで頑張ってきたことが全部振り出しに戻ったような気分になってしまいます。
森田療法では、ここを「目的本位」という言葉で説明します。その日の気分を基準に動くのではなく、自分の目的を基準に動くという考え方です。
なので、物差しを変えてみてほしいんです。不安がどれくらいだったかではなく、今日、自分がやりたかったことをどれだけやれたかで測ってみてください。
行きたかったカフェに入れた。同僚にひと声かけられた。そういうことです。
この物差しのいいところは、自分で数えられるところです。不安の量は自分では決められませんが、何をやれたかは自分で数えられます。調子が悪い日でも、やれたことが1つあれば、それは確かな1つとして残っていきます。
寝る前に1行だけ、やれたことを書く
具体的におすすめしたいのが、寝る前に1行だけメモしておくことです。
たとえば「スーパーで店員さんの顔を見て会計できた」。これくらいで十分です。
不安がどれくらいだったかは書かなくて大丈夫です。書くのは、やれたことだけ。不安を感じながらでいいんです。むしろ、不安があるままできたなら、それは大きな一歩だと思います。
ただ、不安が強い日ほど、何も書くことがないように感じるかもしれません。そういう日は「家を出た」「レジに並んだ」だけで構いません。
1週間分たまってくると、調子が悪い日に見返したときに「先週はこれができていたんだな」と確認できるようになります。
とはいえ、この物差しの切り替えは、最初はやりにくいと思います。長く悩んできた方ほど、不安の量で自分を測るのが習慣になっているからです。
なので、最初のうちは不安の量が気になってもいいんです。そのうえで、やれたことを1行書いておく。両方あってもいいと思います。続けていくうちに、書いたことのほうを先に見られるようになっていきます。
1行メモのような小さな習慣を、ひとりで続けられるか心配な方もいると思います。対人不安を根本から良くしていくための考え方を順番にまとめた3日間の無料動画講座を公式LINEでお届けしているので、続けるときの道しるべにしてみてください。
視線恐怖は不安があるままでいい?あきらめとの違い

ここまで読んで、こんなふうに感じた方もいるかもしれません。
「不安があるままでいいって、結局あきらめろということ?」
何年も「この不安をなくしたい」と思って頑張ってきた方ほど、そう感じるのは自然なことだと思います。
でも、あきらめることとは違うんです。
あきらめるというのは、行きたかった場所に行くのをやめたり、会いたかった人に会うのをやめたりすることです。今回お話ししているのは、その逆なんですよね。不安があっても、行きたい場所には行く。会いたい人には会う。あきらめないために、不安がゼロになることを条件にしないということです。
「不安がなくなったら動こう」と考えていると、不安がなくなる日を待ち続けることになります。そのあいだ、人生のほうが止まってしまう。足踏みしている方の多くが、この状態にいるんです。
反対に、不安を抱えたままでも少しずつ動けるようになると、不安について考えている時間そのものが短くなっていくことが多いです。やりたいことに意識が向いている時間が増えるからです。
3つの転換に共通しているのは、不安をゼロにしていく話ではないということです。不安があるままの自分で、日常を前に進めていく。これが森田療法の根っこにある考え方で、僕がWaReKaRaゼミで大切にしていることでもあります。
ゼミで見てきた、人の目が気になる悩みが良くなっていく人の変化

最後に、ゼミで見てきたことを少しお話しします。
人の目が気になる悩みを抱えている方は、最初は不安をどうやってなくすかに意識が向いていることが多いです。悩んでいた頃の僕も、まさにそうでした。
そこから変わっていく方を見ていると、いきなり不安が消えるわけではありません。変化はもっと小さなところから始まります。
1つ目の転換に取り組んだ方からよく聞くのは、自分を責める回数が減ったという声です。不安が出た場面を思い出しても、「また失敗した」で終わらずに、「あのとき自分は相手を気づかっていたんだな」と受け止められるようになっていきます。
3つ目の物差しに切り替えた方からは、調子の波に振り回されなくなったという声をよくもらいます。不安が強い日があっても、それで全部がダメになったとは感じなくなる。やれたことのメモが、その日の気分とは別のところで、自分を支えてくれるようになるんです。
僕自身のことで言えば、今になって思うのは、悩んでいた頃のいちばん強い気持ちは「人に嫌な思いをさせたくない」だったということです。当時はそれを、自分の視線は人を不快にさせるという欠点としてしか見られませんでした。だから顔をあげられなくなっていたんだと思います。
でも、その気持ち自体は、人と関わるうえでとても大事なものです。欠点として消そうとしていたものが、実は自分の中の優しさだった。不安の見方が変わると、守りたかったものまで一緒に捨てなくてよくなるんです。
良くなっていく方は、不安と戦うのをやめて、その裏にある自分の願いのほうを大事にし始めます。そこから、少しずつ日常が動き出していくんです。
まとめ
今回は、視線恐怖が何年も良くならないと感じている方に向けて、森田療法をもとにした3つの考え方の転換についてお話ししてきました。
振り返ると、こんな内容でした。
- 不安が出た場面を欠点ではなく、大事にしたいことが出た場面として数える
- 不安には山があり、放っておけばピークを越えて下りていくと知っておく
- 回復の物差しを、不安の量からやれたことに変えていく
どれも、不安をゼロにするための方法ではありません。不安があるままの自分で、日常を少しずつ前に進めていくための考え方です。
まずは今日の寝る前に、やれたことを1行だけ書いてみてください。「家を出た」だけでも十分です。
僕自身、脇見恐怖症で10年間悩み、不安をなくそうとしてたくさん遠回りをしてきました。だからこそ、頑張っているのに足踏みしている方には、頑張る量ではなく、見ている方向を少しだけ変えてみてほしいと思っています。
もっと具体的な進め方を知りたい方や、ひとりで続けられるか心配な方に向けて、僕自身の経験と、これまで200人以上のクライアントさんをサポートしてきた中で見えてきたことをまとめた3日間の無料動画講座を、公式LINEでお渡ししています。
今回の3つの転換が、改善全体の流れの中でどこに当たるのか。次に何を組み合わせていけばいいのか。そのヒントが見つかるはずです。公式LINEで「転換」と送っていただければ、今回の内容をまとめた復習用の資料も受け取れます。
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不安を抱えたままの一歩を、一緒に積み重ねていきましょう。






