【回避行動とは】対人恐怖症の克服を邪魔する5つの例とやめ方

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  • 回避行動とは何か、そしてなぜ避けるほど対人恐怖症が長引いてしまうのか
  • 自分では気づきにくい、克服を邪魔する5つの回避行動の例
  • 回避行動をやめたいときに、何から、どれくらい小さく始めればいいのか
ザッキー

こんにちは、WaReKaRaゼミ代表「対人不安解消の専門家」ザッキーです

対人恐怖症を治したくて、本を読んだり、ネットで調べたり、カウンセリングに行ってみたり。自分なりにいろいろ試してきたけれど、何をやっても変わらない。

そんな感覚を抱えていませんか。

もしそうだとしたら、それはあなたの努力が足りないからではないと思うんです。無意識のうちに続けている回避行動が、克服の邪魔をしているのかもしれません。

この記事では、対人恐怖症を長引かせてしまう5つの回避行動についてお話ししていきます。読み進めていくと、自分がやりがちなパターンに気づけて、そこから少しずつ抜け出すための最初の一歩が見えてくるはずです。

対人恐怖症の克服がうまくいかないのは、努力不足ではない

対人恐怖症の克服がうまくいかないのは、努力不足ではない

少しだけ、僕自身の話をさせてください。

僕は中学生の頃から脇見恐怖症になり、20代前半までのおよそ10年間、この悩みと1人で向き合ってきました。

その10年のあいだ、何もしていなかったわけではありません。心理学の本を読みあさり、セミナーに参加し、カウンセリングも受けました。自己投資に使ったお金は、気づけば200万円を超えていました。

それでも、全然よくならなかった時期が長く続いたんです。

当時は「こんなに頑張ってるのに、なんで変わらないんだろう」とずっと思っていました。やり方が悪いのか、自分がダメなのか。答えが出ないまま、また次の本を探す。その繰り返しでした。

後から振り返って気づいたのは、頑張っているつもりで、実は避け続けていたということです。

知識は増えていました。でも、日常の中で人と関わる場面になると、無意識に逃げ道を選んでいたんです。これからお話しする5つの回避行動は、まさに当時の僕がはまっていたパターンでもあります。

だから、もし今あなたが「何をやっても変わらない」と感じているなら、それはあなたの能力や根性の問題ではないと思います。変わらない理由は、頑張る方向の中に隠れていることが多いんです。

回避行動とは?避けると楽になるのに不安が長引く仕組み

回避行動とは?避けると楽になるのに不安が長引く仕組み

まず、「回避行動」とは何かを整理しておきます。

回避行動とは、不安や恐怖を感じる場面を避けたり、その場から逃げたりする行動のことです。人と話す場面を避ける、誘いを断る、目をそらす。こういった行動がそれに当たります。

ここで大事なのは、回避行動はその瞬間、本当に楽になるということです。

避けた瞬間に、不安がすっと消える。ほっと安心できる。だから、避けたくなるのは脳の反応としてはごく自然なことなんです。あなたが弱いから避けてしまうわけではありません。

問題は、避け続けているあいだに、じわじわ効いてくる副作用があるということなんです。

知らない道を避け続けると、ずっと難しい道のままになる

たとえば、初めて通る道があるとします。

迷うかもしれないから、毎回いつもの道を選ぶ。そうすれば、その瞬間は安心できますよね。

でも、一度も新しい道を通らなければ、「意外とこっちの方が早く着いた」とか「思ったより分かりやすい道だったな」ということには、いつまでも気づけません。

実際にどうなのかを確かめていないので、頭の中には「知らない道は難しいし、迷うに決まってる」「自分で新しく開拓するのは無理そうだな」というイメージが残り続けます。

そして、避ける回数が増えるほど、次にその道を通ろうとしたときには、ますます大きな挑戦に感じるようになっていくんです。

対人恐怖症の回避も、これとまったく同じ構造をしています。

人との関わりを避ければ、その瞬間は安心できます。でも避けているあいだは、実際に関わってみたら思ったほど何も起こらなかったという経験ができません。

そのため、「人と関わるのは怖い」というイメージが修正されないまま残ります。そして避ければ避けるほど、ちょっとした関わりまで大きなことに感じるようになってしまうんです。

回避行動と安全行動の違い

回避行動と安全行動の違い

少しだけ専門的な話をすると、認知行動療法という心理療法の分野では、避ける行動を2つに分けて考えることがあります。

1つは、先ほどお話しした回避行動です。飲み会に行かない、人前に出ないなど、その状況そのものを避ける行動のことです。

もう1つが「安全行動」と呼ばれるものです。こちらは、その場には行くけれど、その場の中で身を守るためにとる行動のことを指します。飲み会には参加するけれど、ずっとスマホを見ている。会話はするけれど、相手の目を見ない。こういったものが安全行動に当たります。

細かく言えば、この2つは別のものです。ただ、どちらも「やっぱり大丈夫だった」という経験を遠ざけてしまうという点では、働きは同じなんです。どちらも対人恐怖症を長引かせる避け癖になります。

なので、この記事ではわかりやすく、両方をまとめて回避行動として紹介していきます。

ここからは、5つの回避行動の例を順番に見ていきます。自分に当てはまるものがあるかどうか、考えながら読んでみてください。

回避行動の例① スマホや本で間を埋める

回避行動の例① スマホや本で間を埋める

1つ目は、少し意外に感じるかもしれません。スマホや本で間を埋めるという行動です。

たとえば、こんな場面に覚えはないでしょうか。

  • 電車の中で、必要以上にスマホを見続けている
  • カフェに入ると、すぐに本を開いて視線を落とす
  • 順番待ちのあいだ、ずっと携帯を触っている
  • 会社のエレベーターで、無言の時間を埋めるためにスマホを取り出す

自分では「暇だから見ているだけ」と思っていることが多いんです。でも実は、話しかけられないように、視線が合わないようにするための守りの道具になっていることが少なくありません。

僕自身、脇見恐怖症に悩んでいた頃は、電車の中でずっと窓の外の景色を見ようとしたり、スマホをひたすらスクロールして画面から目を離さないようにしたりしていました。

当時は、ただの時間つぶしだと思っていたんです。でも今振り返ると、あれは人の視線から逃げるための道具だったなと思います。

このパターンがやっかいなのは、本人が避けている自覚を持ちにくいところです。スマホを見ることは誰でもやっている普通の行動なので、それが回避になっているとはなかなか気づけません。

見分け方としては、こんなふうに想像してみるのがおすすめです。

もし今この場にスマホがなかったとしたら、どうなるだろう。

そう考えたときに、目のやり場に困る、気持ちの持っていき場がなくなって落ち着かない、と感じるなら、それは回避のサインかもしれません。

回避行動の例② 集まりや誘いを断り続ける

2つ目は、集まりや誘いを断り続けることです。こちらは回避行動の王道と言えるかもしれません。

飲み会や食事会、何か人が集まる場に誘われたときに、「ちょっと体調が悪くて」「その日は予定があって」と理由をつけて断り続ける。そんなパターンです。

断った瞬間は、たしかに楽になります。当日の緊張も、何を話せばいいのか悩む時間もなくなりますから。

でも、避け続けている限り、集団の中でも意外と大丈夫だったという経験がまったく積めなくなってしまいます。

すると、次に誘われたときには、前よりもっとハードルが高く感じるようになります。断れば断るほど、「自分には集団は無理なんだ」という思い込みが強くなっていくんです。

もちろん、全部の集まりに行きましょうという話ではありません。本当に気が乗らない会や、自分に合わない場を断るのは自然なことです。

ただ、気づけばもう半年くらい、どんな集まりにも参加していない。そんな自覚があるなら、避けることで不安が固まる方向に進んでいるのかもしれないと、一度立ち止まって振り返ってみてほしいんです。

回避行動の例③ 意見を言わずに周りに合わせる

回避行動の例③ 意見を言わずに周りに合わせる

3つ目は、自分の意見を言わずに、周囲や相手に合わせることです。これもかなり気づきにくい回避行動です。

たとえば、こんな場面です。

  • 会議で意見を求められても「特にありません」で流す
  • 飲みの席で「何でもいいよ」と、選ぶことを相手に任せる
  • 雑談でも自分の考えは言わず、相手の話に相づちを打つだけにする
  • 友達と行く店を決めるときも「どこでもいいよ」と相手に委ねる

一見すると、優しい人、協調性のある人に見えますよね。むしろ周りから褒められることすらあるかもしれません。

だからこそ、本人も周りも、これが回避だとは思いにくいんです。

でも、その根っこにあるのは「自分の意見を出したら否定されるかもしれない」「対立したら嫌われるかもしれない」という不安であることが多いです。その不安を避けるために、意見を出さないことを選んでしまっているんです。

これを続けていると、自分の言葉は否定されるものだという思いがどんどん強くなっていきます。そして、いつまでも自分の意見が言えないままになってしまいます。

さらに怖いのは、その先です。合わせ続けているうちに、自分が本当は何を思っているのかすら分からなくなっていくことがあるんです。

相談を受けていても、「自分が何をしたいのか分からない」とおっしゃる方は少なくありません。お話を聞いていくと、長いあいだ周りに合わせることで身を守ってきた、というケースがとても多いんです。

回避行動の例④ 視線を合わせない・目を伏せる

4つ目は、相手と視線を合わせない、目を伏せることです。これは対人恐怖症や視線恐怖症の代名詞のような回避行動ですよね。

話すときに相手の目を見ない。下を向く。視線を斜めにそらす。

怖いから避けたいという気持ちは、本当によく分かります。僕自身も、実際に長いあいだそうしていました。

ただ、視線を上げない限り、実は相手はそんな変な目で自分を見ていなかったという気づきは得られないんです。自分の恐怖の中だけで、話が完結してしまいます。

視線を上げてみると、意外と相手はスマホを見ていたり、別のことを考えていたりして、こちらのことなんて全然気にしていないことが多いんです。

でも、それに気づけるのは視線を上げたときだけです。

視線を伏せ続けている限り、「みんな自分のことを変な目で見ている」というイメージは頭の中で膨らみ続けます。確かめられないものほど、想像の中で大きくなっていくんです。

いきなり相手の目をじっと見る必要はありません。まずは、周りの人がどこを見ているのかを一瞬だけ確かめてみる。それくらいの小さな一歩からで大丈夫です。

回避行動の例⑤ 症状を誰にも話さない(一番見えにくい回避行動)

回避行動の例⑤ 症状を誰にも話さない(一番見えにくい回避行動)

そして最後、5つ目は症状のことを誰にも話さないことです。

これが、5つの中で一番見えにくい、隠れた回避行動だと僕は考えています。

打ち明けないという回避

自分の対人恐怖症のことを、家族にも友人にも、誰にも話していない。そういう方は多いのではないでしょうか。

「話しても理解されないだろうし」「重い話だと思われそう」「どうせ気にしすぎって言われるだけだ」。そう思って、話さないことを選んでいる方もいると思います。

僕自身もそうでした。

中学生の頃、勇気を出して心療内科に行ったとき、「気のせいだよ」と言われてしまったんです。それ以来、10年近く誰にも打ち明けられませんでした。

話さなければ、否定されることもない。その瞬間は安全です。でもそのぶん、話してみたら意外と受け止めてもらえたという経験からも遠ざかってしまいます。

相手に確認しないのも同じ回避

そして、この話さないという回避は、症状を打ち明けないことだけではありません。自分の不安を相手に確認しないことも、同じ回避行動なんです。

たとえば、相手が真顔だった。返事が少しそっけなかった。LINEの返信がいつもより遅かった。

そんなときに「嫌われたかもしれない」「怒らせたに違いない」と考えてしまう。そして、そのまま確認はしない。

すると、その不安は頭の中でどんどん膨らんでいきます。

実際には、相手は仕事のことを考えていただけかもしれません。ただ疲れていただけかもしれません。もともと表情があまり変わらない人だったのかもしれません。

でも、確認しない限りは、自分の頭の中で作ったストーリーが真実になってしまうんです。

「どうしたの?」「何かあった?」。こんなふうにシンプルに聞いてみれば、「あ、ごめん、全然関係ないよ」という一言で終わることも少なくありません。気にしすぎだと思われるかもと飲み込んで、ひとりで何時間も考え続けるより、聞いてしまった方がずっと早いんです。

症状を誰にも話さないことも、相手に確認しないことも、共通しているのは自分の頭の中だけで完結させてしまうということです。

だから、現実との答え合わせができないまま、不安だけが育っていきます。

逆に、話してみる、確認してみるという小さな経験を積んでいくと、「思っていたほど悪いことは起きなかった」という新しい経験が少しずつ増えていきます。その積み重ねが、頭の中の怖さを現実のサイズに戻していってくれるんです。

一人だと、回避していること自体に気づきにくいこともあります。

WaReKaRaゼミでは、視線恐怖症や対人恐怖症など、同じような悩みを持つ人と実際に関わりながら、少しずつ「避けなくても大丈夫だった」という経験を増やしていけます。

「一人で取り組むのが難しい」と感じている方は、どんな場所なのかだけでも見てみてください。

回避行動をやめたいときは?1つだけ選んでスモールステップで

回避行動をやめたいときは?1つだけ選んでスモールステップで

ここまで読んで、「5つ全部やってる…」と気づいた方もいるかもしれません。

ここからは、回避行動から抜け出すための具体的なヒントをお伝えしていきます。

全部を一気に変えようとしない

まずお伝えしたいのは、全部を一気に変えようとしないでくださいということです。

5つの回避行動に気づいた瞬間は、やる気が出ると思うんです。明日からスマホは見ない、誘いは全部受ける、意見もちゃんと言う。そう決意したくなる気持ちはよく分かります。

でも、一気に全部変えようとすると、まず続きません。

そして続かなかったときに、「やっぱり自分はダメなんだ」と自分を責める材料を、また1つ増やしてしまうんです。これでは、せっかく気づけたことが逆効果になってしまいます。

大事なのは、まず1つだけ選ぶこと。そして、その1つで小さなステップを組んでいくことです。

この小さなステップのことを「スモールステップ」と言います。いきなり大きな目標に挑むのではなく、少し頑張ればできそうなことから順番に積み上げていく方法です。

スモールステップの具体例

たとえば、こんなふうに組んでいきます。

スマホで間を埋める癖を変えたいなら、1日1回だけ、電車の中で意識してスマホをしまってみる。

意見を言わずに合わせる癖を変えたいなら、週に1回だけ、ランチを選ぶときに自分の希望を口に出してみる。

本当にそれだけで大丈夫です。

「こんなに小さくて意味があるの?」と思うかもしれません。でも、小さいからこそ続けられますし、続けられるからこそ「やってみたら大丈夫だった」という経験が積み上がっていきます。

ゼミ生さんを見ていても、変化していく方ほど、最初の一歩をびっくりするくらい小さく設定しています。反対に、最初から大きな目標を立てた方ほど、途中で苦しくなってしまうことが多いんです。

その行動は回避行動?見分けるための1つの質問

その行動は回避行動?見分けるための1つの質問

ここまで読んで、「でも、スマホを見るのも、誘いを断るのも、全部が回避ってわけじゃないよね?」と思った方もいると思います。

その通りです。同じ行動でも、回避になっているときと、そうでないときがあります。

そこで、回避かどうかを見分けるための判断基準を1つお伝えします。それは、自分にこう質問してみることです。

「もし怖さがなかったとしたら、それでも私はこの行動を選ぶだろうか?」

スマホを見ることも、誘いを断ることも、視線を伏せることも、本当に自分がやりたくて選んでいるのであれば、そのまま続けて問題ありません。疲れているから今日は1人で帰りたい。好きな漫画の続きが読みたいからスマホを見る。それは回避ではなく、あなた自身の選択です。

でも、「怖くなければ、本当はそんなことしない」と思うのであれば、その行動は不安に決められている回避の可能性が高いです。

そして、回避を減らしていくときに一番大切なのは、大丈夫だったという経験を積むことです。

避けずにやってみたら、意外と何も起こらなかった。その経験を少しずつ積み重ねることで、脳は「思っていたほど危険ではなかった」と学習し直していきます。

その積み重ねによって、頭の中の怖さは少しずつ小さくなっていくんです。

まとめ

今回は、対人恐怖症の克服を邪魔する5つの回避行動と、そこから抜け出すためのヒントについてお話ししてきました。

大事なところを振り返ります。

  • 状況そのものを避ける回避行動と、その場の中で身を守る安全行動によって、対人恐怖症は固まりやすく、悩みも長引いてしまう
  • 克服を邪魔する回避行動の例は、スマホで間を埋める、集まりを断る、意見を言わずに合わせる、視線を合わせない、症状を誰にも話さないの5つ
  • 抜け出すときは全部を一気に変えず、1つだけ選んでスモールステップで少しずつ行動していく

おそらく、どれか1つは当てはまったのではないでしょうか。

もし当てはまったとしても、落ち込む必要はありません。気づけたということは、それだけで変わるための入口に立てたということだからです。僕自身も、この回避に気づくまでに10年かかりました。

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